北総合支援学校「みやこ学校創生事業研究発表会

marumo552008-01-25

 25日は、朝から北総合支援学校の「みやこ創生事業」の発表会に参加しました。午前中に公開事業、午後には、まず朝野西総合支援学校校長の講演、そして学部別分科会。分科会では「指導助言」という役をつけていただきました。

 四国や中部など、ずいぶんと京都市外からの先生の参加も多くご盛会おめでとうございます。ゲストの朝野校長、京都大好き(?)藤原義博先生と、豪華顔ぶれというのも効いたんでしょうねえ。こちら北総合では、学校運営協議会の会長やらしてもらってるので、立場上、自分がAWAYなのかHOMEなのかちょっと内心複雑な気分でしたが、考えてみれば、基本、両先生にはお礼申し上げないといけないところなんですよね。懇親会のあと、朝野先生より先に、とっととタクシー乗って帰ってすいません。ほんとにご苦労様でした(HOMEの立場として)

 学生ジョブコーチ、muttoセミも含めた卒論・修論、教職GPのねた、もろもろ、北ではずいぶんとお世話になってます。また、配付されたの「研究紀要」によると今年度すでに3回、講演させてもらってたんですね。というわけで、第三者評価的(AWAY的)に総評するのも気がひけるんですが、北のみでなくほかの学校も含めた年度末の一般論的な感想をいわしてもらうと・・・・

 どの学校もほぼいずれも「個別の包括支援」ということが前面に出ているという点は(そもそもの京都の包括支援プランからいえば当然といえば当然ですが)高く評価されるべきところですよね。
 一方、今後とも発展させるべき課題は、上記の個別包括支援プランも含めて、学校運営における様々な役割や組織編制に関する「機能的な役割」の評価とそこから示される具体的なカイゼンを、生徒の「キャリア・アップ」という観点から徹底的に継続させるということではないでしょうか。

 朝野先生の全体講演のタイトルは「新しい時代を生きる子どもたちの主体性を育む特別支援教育の創造〜総合支援学校の現状と今後の展望〜」というものでした。PPの資料で54コマ。いくつかキーワードとなるコンテンツとしては、
 1)「未来は想像するものではなく、創造するものだ。」
 2)「生きるすべ」から「生きるかたち」へ
 3)(PPには書いてないけど)「シミュレーションなのか、ただのゴッコのどっちなんだ?」
などが(まだ沢山ありますけど)、挙げられます。

 すでに紹介したと思いますが、朝野先生のすごいところは、上記のキーワードコンテンツに示されているように、たえず「前のめり」の実践を提唱されていることです。学校教員によるジョブコーチシステム、センター化など、世間のインクルーシブな理念に「沿ったり」、その発展を「待ったり」「想像したり」するのではなく、当然のように学校がその実現に向けて先頭に立たなくてはいけないとするところです。そのことを、単に理想として掲げるだけではなく、実際に制度カイゼンを含めて実行してきたということです。 

 今年度の教職GPや各学校において叫んできた、個別の包括支援プランのみなおしという、当方の「ツアータイトル」は、まさにこの朝野先生の実践のより高いレベルへのキャリアアップのために選んできたものです。
 みやこ創生事業は、学校と地域資源の連携の上に全体がキャリアアップをはかろうとするものであると思います。
 今後は、さらに学校自体がキャリアアップしているかをきちんと評価するシステムをさらに具体化する必要があると思います。
 
 ちなみに、まだ「研究紀要」の中に実践とそれに対応する生徒のキャリアアップを示す定量的な資料が殆どありません。ポスターセッションでは、学生ジョブコーチが、実践内容をグラフで示したものですが、学校が先頭となって地域をリードするためには、やはり実証的で説得力を持つ「援護」の書式が必要だと思います。連携というのは、うまくやれば、相互に上方に向いたスパイラルが描けるものですが、油断すると、相互にデフレスパイラルになる可能性もあります。
 頑張りましょう、ではなく、確実に上方修正するシステムを創る必要を痛感します。


 写真は、来賓各位。「携帯電話の電源を切ってください」というK教頭の指示の最中に、ばちばち携帯で撮影して、あとで叱られました。ごめんなさい。