特定疾患とは

  思わず難病(特定疾患)の患者当事者になったのですが、改めて「当事者」と名乗れるのはどういう事か考え込みます。わたくしの特定疾患(脊髄・小脳変性症)には、「要支援2」という区分の介護保険の適用になり、ヘルパーさん週に2時間利用のサービス(?)を受けられます(介護料全額ではない)。また症状に対する判定としてついてきた身障者手帳の等級は2種5級というものです。
 これは、書いたように、JR乗車賃、高速料金が半額などの特典(?)がついてきます。そして真っ先に思いつく駐車の権利拡大があります。京都府の場合には、特定のステッカーをもらって、それをぶら下げれば、やはり指定の身障者マークのついた駐車場(京都おもいやり駐車場)にはとめられるというもので、よく勘違いされている「身障者マークついてればどこでも止まれる。あるいは、お目こぼしにあずかる」という水戸の印籠のようなものではありません。ふと近所のスーパーの前に、京都府のおもいやり駐車場対応の身障者ステッカーを掲げて15分ほど停めたら、しっかり罰金。
  それでも介護サービスやら身障者の特典やら、特定疾患についてはいくかの援助があって手続きもことのほか簡単で結構福祉国家やなあと感心したものでしたが、今般、「ことのほか簡単に」患者負担が改悪。かつては特定疾患に関する医療費(関連と認められた医療費、薬物、リハビリ料金など)の自己負担の上限は5千円だったのが、今年に入って2万円に値上げ。特定疾患とされる病気の種類は拡大したのですが、一人ひとりの負担は激増。今まで月に2回リハビリに行けば、3回目からは公費だったのが、それからは自己負担(保険は効いてる)。2万なんて、治療の効果を考えれば、と思いがちだが、クリニックへのタクシー料金も考えれば、倍ではすまない。一晩たったら「権利の当事者」から「「義務の当事者へ。
   難病のことなど、一般の人の多くはご存じないだろうが、こんな風に知らぬ間に他の権利もどんどん奪われてないか?