対人援助学会準備会やりました。

marumo552008-06-18

 (一日遅れの日記です)
 18日は、第20回の対人援助学会準備会例会で、太田和宏さん(詳しくは昨日のブログ参照)を招いて、障害者の就労支援について、職業カウンセラーという対人援助職の立場からお話をいただきました。
 
 予想以上の人数の方が参加してくださいました。レジュメが足りなくなってごめんなさい。
今回は、自立支援法や移行支援事業などの展開、最低雇用率の基準の変更など、さまざまに制度の変わる中で、障害者職業センターの紹介、障害者職業カウンセラーの仕事、そして障害者雇用の現状と就労支援の今後の展望について、お話していただきました。
 
 太田氏は、(独)高齢・障害者雇用支援機構の大阪障害者職業センターに、現在、配属されているわけですが、この組織と他のさまざまな地域資源との連携のかたちは、正直なかなか複雑で多用ですね。各地の職業センターの機能もそれぞれにいろいろあるようですし。
 前に、京都のデュアルシステム(京都主要企業と総合支援学校との連携による障害者雇用促進のためのシステム)の、パネルディスカッション(ブログの前の日記:http://d.hatena.ne.jp/marumo55/20080215 参照)でも、京都の企業の代表たる方の発言で、「いろいろなところから障害者就労支援について講演や話を求められるが、おんなじことを色々な人に言わなくてはならない。もっと行政のほうでこの問題について一元的に対応する窓口のようなところはないのか!」というコメントがありました。ちょっと、そういうこととも関係があるのかな? 

 障害者就労支援といっても、知的障害の場合を考えた場合、総合支援学校卒業、福祉施設経由、すでに就労している人、など、多様な状況があります。それぞれに対応の方法や他のセクターとの連携の仕方も違うと思います。さらに発達障害精神障害、などの障害性による対応など、ほんとに様々。
 今回の説明で、おおよその「行政的」な対応のマトリクスはわかったけど、一覧表をみないとどうなってんだか、よくわかんないですね。

 それはさておき、障害者の雇用率の変化、就労定着率の変化、といった表をみると、雇用率のほうはあがっているけど、定着率をみると、どうも芳しくないという数値でしたね。ま、定着率については、障害者の就労に限らず一般の人の場合でも同じように低くなっているんでしょうが。

 「定着すること」がいちおう良いと仮定して、この問題は、果たして、雇用時の「マッチング」の問題なのか、それとも雇用後の対応に問題があるとみるべきなのか。ま、両方ではありましょうが、具体的に興味があるのは、「職業評価」「職業準備支援」といった事前のアセスメント作業において、どのような形で当事者の行動を表現しているかということです。太田氏も、応用人間科学研究科修了生として(?)、「援助」「援護」「教授」という対人援助作業の機能的分類について触れてくれていましたが、
 1)いわゆる当事者の適性というものの表現として「・・があればできる」という援助設定を前提とした「できる」を評価しているか
 2)準備支援の期間のあいだに、上記したような1)での学習過程の中で、利用者がどんな条件(援助・教授設定)において行動変容が生じるか、
 といったことを、どのように表現するのか、ということです。2)の中では、太田氏も言っていたように、ひとつのスキルとして、今、重要視されているのは、「セルフマネジメント」です。これについて実際には、例えば準備期間や訓練過程で具体的にプログラムされているのでしょうか。


 太田さんには、6月30日(月)の20:25分くらいから(たった30分ですけど)応用人間科学研究科の「対人援助学演習?(カンファレンスルーム)で話をしてもらう予定です。この日は、他のさまざまな対人援助職についているOBの発表が18時からありますので、併せて聞いていただければと思います。ほんとは、M1の授業ですので、非公式ですけど「どなたでも」聴講可能としますので、こぞってご参加ください。