推薦図書(3)毎日かあさん

 「神様は『何歳までにコレコレができないといけない』なんて一度もおっしゃったことないんですよ」、「人間は発達するために生まれてきたのではない」(いずれも、某柑橘系ブログから勝手に引用)。
 これまでこの業界で仕事をしてきて、いくつかの名言が心に残っています。上記の言葉も、こどもの「発達」やその援助を考えていく上で非常に大切な理念や姿勢を表していると思います。より広く「対人援助」という実践にもあてはまることだと思います。
 こうした理念あるいはセンスをどのように伝達したらよいのか。なかなか難しいところです。
 で、とりあえず、推薦図書として挙げたのがこの西原理恵子の「毎日かあさんカニ母編〓」(毎日新聞社)です。
 西原理恵子の漫画との出会いは、バブルの頃、グルメをカモにするレストランを皮肉った「恨みシュラン」(週刊朝日連載)です。それ以降、ひどく荒れた内容(本文にもちらっと触れている)のものもあり、また、彼女の作品から「毒気」をさしひいたようなものを描くエピゴーネンも活躍したりして、どうなることやらと思ってましたが、彼女の「毒善」は健在なようです。好みは分かれるでしょうが。
 病気で入院された発達心理のT先生にも、やはり西原の「女の子物語」(小学館)とセットで差し入れしようと思ってます。