宿題の確認

 行動福祉心理学の宿題の確認です。

 図に示したのは、行動分析学の実践・研究で用いられる単一事例研究法のひとつである「反転デザイン」の一種であるABA(BAB)デザインを用いた研究例です。
 この研究は、以下のような状況のもとで行われたと想像してください(架空ですよ)。

 Clothhat病院精神科には、問題行動を示す知的障害のある子供が何人か入院しています。その中でも、ワレン君とチャールズ君の常動行動はとても目立ちます。
 そこで、お医者さんは、薬物投与によってこの問題行動を減らすことができるはずと、chlorpromazineという薬物の投与を決定しました。確かに、常動行動は減ったようです。
 しかし、ずっとこのまま投与していくべきか、心理職のあなたは今迷っています。確かに常動行動は減ったんだけど、なんかぼんやりしちゃって、全体に覇気がない。
 そこで、単一事例研究法を用いて、薬物の効果をみたのが今回のグラフです。「覇気がない」という印象に関連するいくつかの適応的な行動についても、常動行動と同時にその変化をみてみようということになりました。そこで、薬物投与(D)と、投与なし(P)の条件における比較をしています。Dはドラッグ-薬物投与の略、Pは、プラシーボ-偽薬投与の略です。プラシーボとは、形は薬のようなものですが、成分は行動になんの影響も与えない小麦粉みたいなものです。この操作は、成分とはかかわりなく「錠剤を飲む」という行為が、行動に影響を与えている可能性があるからです。その効果を排除するために、偽薬が使われています(実験の変数は、一度にひとつだけ操作することが鉄則です)。
 従属変数となっている行動には、BED(ねちゃう)、 ROCIKING(体をぶらぶらさせる常動行動)、 PROXIMITY(周囲の人に近づく)、 EYE CONTACT(目線を合わせる)、 TALKING TO LISTNER(話しかける)があります。
 結果は、図のとおりです。さてこの結果から、薬物投与を続行すべきでしょうか。それとも中止すべきでしょうか。もしあなたが現場責任者であったらどう判断しますか?
 回答は、A4のレポート用紙にタイプして、次の授業の時に提出してください。

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