研究入門COクラスの諸君へ

「レポート手書きでないとダメですか」という質問がありましたが、A4ワープロで書くのが基本です(掲示にそう書いてなかったですか)。
それと授業中に調べて発表した内容とテーマ変えてもいいですか、という質問がありましたが、変えてもいいです。
 授業中に発表しきれなかった人は、個人口頭試問という形で発表内容を聞きます。
各自アポイントを、mochi@lt.ritsumei.ac.jpの私宛のメイルでとってください。
 
 これまでの発表に関するコメントはその都度してきましたが、研究入門の諸君にいいたいこと。

 1)因果関係を簡単に類推して物事を判断しないこと
  相関と因果は異なります。本来実験してみなきゃ因果はわからないのですから、それができない以上、慎重に考えること
 2)「心理学」には、専門語を使って「常識」をいいかえただけのものもあります。研究や文献を読んだとき、「自分の考え方と同じだ!」と喜んでばかりはいられません。
 常識が間違っているとは限りませんが、様々な社会的問題は、その常識の中で定常的な状態となっている多くの人間の言語行動が生み出している場合もあるからです。
 そうした多数派の言語行動(=常識)が生み出すかかわりあいの中で、不利益を被る少数派というものもあるわけで、およそ社会科学としての心理学は、そのようなものに疑問を呈してその少数派の権利を守るためにあるといっても過言ではないと思います。
 3)常識として、あるいは新発見されたとする物事の説明や因果関係の紹介については、それを証明している方法自体も疑う必要があります。諸君がこれから心理学の手法を学ぶというのは、そうした鑑賞眼を養うという意味でもあります。
 4)レポートでは関心領域についての論文を読んで、自分の意見を述べるというものですが、上記したような観点を絶えず意識してください。