推奨DVD「ロッタちゃんのはじめてのおつかい」

 学校もそろそろスタート.夏休みには沢山DVDみたり本を読んだりしました.いろいろな仕事や締め切りが近づいたり,締め切りが過ぎているのにさらにDVDがみてしまうのはなぜでしょう.行動分析系の授業に出た人は知ってますよね.
 今回推奨のDVDは,「ロッタちゃんはじめてのおつかい」.だいぶ古い映画で恐縮です.なんで今さらロッタちゃんか.特に理由はないですけど,まあ,人生とか季節の折々に(?)「やかまし村のこどもたち」とかこの系統を見たくなる時ってあるじゃないですか.CKBの「セプテンバー」だけじゃ癒されないような時です.
 すでに繰り返し論評されていると思いますが,この映画で感動するのはなんといっても周囲の大人の行動ですよね.憎たらかわゆいロッタちゃんのわがまま行動に,大人たちは,決して怒ったり制止したりしない.今を認める.本来的意味で時間を与える.そういう対応ですよね.勝手に家出してきちゃったロッタちゃんに,お隣のおばさんは屋根裏部屋を提供しロープにつけたバスケットでごはんも提供.そこへ家族は代わるがわる訪問してきて「みんな寂しがっているからクリスマスまでには帰ってね」と悲しそう(風に)に声をかけていく(クリスマスは4ヶ月も先なんでロッタちゃんちょっと焦る)
 子供をめぐってのこのような家族やお隣とのつきあいのしかたって,日本ではいつまでありましたかねえ? オリンピック以前か? わたくしの場合も,隣近所のお宅に唐突にあがりこんでお菓子が出るまで粘ったという思い出はあります.50年くらい前ね.
 スウェーデンの農村って今でもこんな風なんでしょうか.映画の設定をみると戦後まもなくっていう感じがしますが,そうだとしても現代においてそれを再現してみせる製作者の感性っていうのはすごいですね.ロッタちゃんを取り巻く大人たちというのは,今これを実現できるかという発想をしてみれば,たんに素朴とかやさしいとかではすまない,ものすごい「力」(ストレングス)ですよね.
 この夏に,関西の某地区で,親の手を離れて走っていた小さな子供に声をかけて注意した(つもりの)人が,脅迫罪かなにかで警察に捕まってしまったという事件がありました.被疑者となった人のご家族とは個人的につながりがあって知ったのですが,聞いた限りのことではありますが,事の起こりから逮捕までの一連の住人の行動をみると,地域のストレングスという点から言えばほんとにうら悲しい話です.この事件にはN先生やS先生も出動されているそうです.当方は激励しつつも見守るのみですが.
 もうロッタちゃんの世界はないのかな.