S大学のみなさーん

 S大学のみなさま.やっと採点が終わり評価を事務に送りました.
いやあ,皆さんもう立派な行動分析家ですよ.とくに,正の強化の大切さ,楽しくやらねばいかんことなど,一番理解していただきたかったことについて,非常によくわかっていただけたようでうれしいです.
 授業を受ける前と受ける後の違いを書いてもらいましたが,障害や対人援助について「目からうろこ」と表現してくれた方も多く,ほんとに授業行動が強化されました.
 しかし,昔以上に,行動分析学を他では習っていない状況であることもよくわかりました.かつて,米国の大学でも行動分析の科目が少なくなってしまった時に,教育や福祉現場で,実践的なプログラムを作っていける人がいなくなってしまい混乱したという話を聞いたことがあります.日本でもそれと近い状況なんでしょうか.
 いくら過去の分析や解釈をしても,今,これからどうして良いかはわかならいということを体感していただけたと思います.さらに理念でだけ「ノーマリゼーション」や「自己決定」の大切さを知っていても,具体的にどのような設定を準備していけばいいかがわからなければ,当事者の権利を守ることもできないことを理解してもらえたと思います.
 「正の強化で維持される行動の選択肢の拡大」というお題目は,どんな対人援助場面でも適用できる基本方針です.最初の一歩を考えつくことができます.覚えておいてください.
 「最初の一歩」といえば,答案の中に,ひきこもりに関する質問をしてくれている人が何人かいました.授業のときにも,ちょっと紹介しましたが,ファーストステップジョブグループというひきこもりの実践グループの勉強会(発表会)を,2005年10月9日(日)午後1:30から,クレオ大阪東(大阪市立男女共同参画センター東部館)で行いますので,興味のある方は参加してください.
 「○から×」の発想で,ひきこもりに対する実践活動を行っているグループのこれまでの3年間の活動を振りかえる会です.