参考書その2

 夏休みに生協で買って机の下に落ちてた本の紹介です.他のものを探しているときに見つけました.
 「日常生活の行動原理〓学習理論からのヒント〓J.D.ボールドウィン & J.I.ボールドウィン著,内田雅人訳.(ブレーン出版)」というもの.1980年代からプレンティスホール社で改定を重ねている伝統的テキストです.「学習心理学からのヒント」という副題のノリはちょっと時代を感じさせますが,この副題は訳者が勝手につけたもので,原題は, "Behavior Principles in Everyday Life"
これだけです.「学習心理学からのヒント」とかいうと,動物実験で得られた知見を人間にあてはめたものかい,という,よくある誤解を招きそうです.すでに皆さんご承知のように,いまや,行動分析学的研究というものは,どっか別の理論や研究からヒントを得て「応用」するのではなく,まさにそこにある現実の社会の課題について,それ自体をダイレクトに分析し固有な変数を見出し介入していくものです.
 もちろんこの本もそういう本といっていいでしょう.先日紹介した杉山尚子さんの「行動分析学入門」を読んだ後で読むことをお勧めします(生協にあったということは,M先生か誰かの推薦図書だったのかな).