ジョブコーチに関する講演会

 時間前後しますが,去る12月8日(木)に,障害者職業総合センターのはね田先生を行動分析学特論のゲストスピーカー(かつ人間研ORCのゲスト)としてお迎えし,ジョブコーチの現状と課題について講演をいただきました.ジャンボで,ミックスとやきそば食べた後で.
 私の個人的印象ですが,はね田先生がセンターに定着して仕事を始められてから,就労支援のための支援プログラムや市販を前提としたパッケージの開発など,きわめてアクティブな組織になったかの感があります.研究所にふんぞりかえって研究しているのではなく,全国とびまわって開発プログラムの紹介や営業をかける,というのは,まさに職業総合センターという名にふさわしい活躍ぶりとお見受けします.
 「課題分析と職務分析の違いは?」という当方の質問に,「職務分析」とは,marumo先生の言うものとは違って,そもそも・・・・・」とご指摘うけました.しまった.攻撃は最大の防御という戦略を先伊にとられてしまった.
わたくしセリフ間違えたんです.職務分析じゃなくて「業務分析」の間違えでした.あとで院生にぶたれました.でも,おかげで,いわゆるハイアーオーダーな課題分析に関する情報も,ちらと覗かせていただきました.
 当日の講演はVTRで録画してあります.規定により行動分析学特論の受講生,学生ジョブーコーチに参加している学生はみることができます(管轄は応用人間科学研究科となります:実験実習指導室に管理保管されます).
 課題分析と機能分析の関連については,翌日のプロジェクトの定例ミーティングでも話題になりました.
 結論:機能分析は,完成した課題そのものではなく,当該個人を対象として,初期設定としての職務分析から本人に対する支援(援助・教授)を効率化,かつ公共化するためのダイナミックな作業のすべてを指す.
 ということです.
 パッケージとして売り出そうとされているワークリストも,その個人にとっての機能性を絶えず考慮する仕組みを作っておかないと,またぞろ「+++プログラム」なんかと同じになってしまう可能性がありますね. 
 はね田先生も言っていたように,専門家のスーパーバイザが必要となるわけです.しかしそれはいったい誰がやるのかな? 職業カウンセラーということになるのでしょうか.一定時間研修を受けたスーパーバイザーが派遣されるといった仕組みもあるのでしょうか.
 これについても課題は残りますね.
いずれにせよ,就労支援の世界でも,行動分析学の基本的知識は必須となってきたわけです.学校における個別支援プログラムもすでに行動分析学が基本となります.
 これらは,いずれも単なる技法(ABAとか呼ばれる)ではない行動分析の方法論を理解した上でやってもらいたいところです.
 はね田さん,前に学会でも言ってました.大学では,表面的かつ1次元的な課題分析にとどまらず,組織全体の機能にまでふみこんだ課題分析の技術を習得してきて欲しいと.
 はい.がんばります.今後もうちの学生ジョブコーチで鍛えた学生が受験しますので,後のめんどう宜しくお願いします.(今年の4月から応用人間科学の卒業生が職業カウンセラーとして仕事をしています.まだ「補」がつくらしいけど)