この子らを世の光に

marumo552007-03-21

 昨日(20日)、NHKスペシャル「ラストメッセージ」第6回は、糸賀一雄氏の「この子らを世の光に」でした。コロニーに赴任して、行動「療法」的に「どんな障害があってもシェイピングしちゃって普通にしちゃう」みたいに意気込んでいた私に、例の「×から○じゃないくて、○から×なんだぞ」という話と一緒に、上司の冨安先生から教えてもらった言葉です。確かに「この子ら世の光を」じゃなくて「この子ら世の光に」という発想の逆転は、非常に新鮮で目から鱗でした。いうまでもないことですが、「パッシブ・シミュレーションとアクティブ・シミュレーション」の対比の原点でもあります。
 この「この子らを・・・」の発想を受け入れることが、行動分析学とりわけ「徹底的行動分析」の発想がノーマリゼーションやインクルージョンと極めて親和性が高い、というか、そのための具体的方法論なんだ、ということを私が再認識したきっかけになったわけです。
 昨日のテレビで知ったのですが、糸賀氏は講演中に倒れたその瞬間に「この子ら・・」というフレーズの「を」という言葉が最後に音にならずに聴衆に投げかけられたのですね。なんとも象徴的な話です。さらに、「発達は縦の発達だけでなく横の発達もある」という名言も生の声で聴くことができました。精神的な後継者であるわれわれは、ほんとにこの「横の発達」についてきちんと理解しそれを実現すべきであると再確認した次第です。


写真は巣から落っこちたけどヒトの手で育てられた「つば子」