教職GP 井上先生をお招きして

marumo552007-06-15

 ちょっと現在の実時間からすると、既に旧聞になっちゃいましたけど、15日(金)の教職GPでは兵庫教育大学井上雅彦先生をお招きして「余暇活動ベースの支援」を内容としたお話を伺いました。
 事前に、ともかく「QOL度の高い」実践を紹介してください、と依頼していたのですが、まさにその趣旨に100%応えてくださる内容でした。
 「正の強化で維持される行動の選択肢の拡大」が対人援助の目標であり、それは私的には、まさに、当事者を中心とする(person centered)な「発達」であり、また「QOLの尺度」だと思っています。
 浜田寿美男先生の「人間は発達するために生まれてきたのではない」ということばが思い浮かびます。さらに言い加えれば「あそびをせむとやうまれけむ」(梁塵秘抄)というわけで、この「あそび(あすびだったかな)」ということを、現在の「遊び」と捉えれば、そして井上先生が冒頭で話された、内在的強化で維持される活動の選択とその遂行が「遊び」であるとする言及を思えば、余暇活動の成立を支援することというのは、「授業外の遊び時間の過ごし方」という話では全くなくて、特別支援に限らず、これは子どもの「発達」のど真ん中の話であることが理解できると思います。

 障害のある生徒さんに対する「茶道のおけいこ」「バイクの練習」「ビリヤードの練習」など、井上先生の実践の様子は、実に見ていても楽しいものでした。茶道の先生の、決して「型」を押し付けない機能的な教え方というのも、その道を極めた人から教わる行動分析学ですね。吉兆の親方の最近の「正の強化で弟子を育てる」のとも一脈通じる話かも。

 井上先生は、このブログでもH教育大学のI先生ですけど、自分で発表日を間違えた挙句、ひと様のポスターをひっぱがしたという学会伝説の人ね。
 ともあれ、常に、本質を行く先生ですよね。ある意味、一番、行動分析学の「心」のある人だと思います。というわけで、井上先生のブログへも皆さん訪問しませう。

 http://aba.jugem.jp/



 写真とるの忘れました。かわりに原谷に出た「熊注意報」