行動分析学特論レポート

marumo552008-07-29

 先週、最終授業とした行動分析学特論のレポートが、メイルで続々と送られてきております。メイルでの提出は、コメントをつけられやすいので、お願いした次第ですが、最初に到着したものほど、コメント内容が丁寧になりますので、みなさんよろしくお願いします。
 現役院生については、応用行動分析や行動分析についての基礎知識があっての参加でしたので、今回はアクティブ・シミュレーション、パッシブシミュレーションという「対人援助学」の方法論について、とくに、自分が現在、研究しようとしている題材や、これまでの経過に関して、それがどのようなものにあたり、われわれ「援助者」のとるべき方向について記してもらうのがテーマでした。

 アクティブシミュレーションとパッシブシミュレーションという対比は、プロアクティブな実践とリアクティブな実践、連携と分担、ユニバーサルデザインバリアフリー、援助−援護−教授という3つの対人援助の機能連環の中での「援護」、そして「情報移行」といった基本的な作業タームと相互に関連しあうものです。
 みなさん、それぞれに上記の問題を統合した回答をしてくれているようで大変うれしく思います。また自分の対人援助の実践における、アドボカシーの確立などに関しても、その成立のための条件として、どのような援助設定が必要かといった方向性で、自らの課題として捉えてくれているケースがあり、大変、興味深く、読ませてもらいました。

 それらの問題を、単なる、考え方の枠組みとして、疎外して理解するのではなく、必ず自分自身の援助者として援助行動の随伴性ということを念頭に、被援助者との関係の中で、いったい、どのように言語的表現をしていくか、このことが修論という最終的言語行動となっていくわけです。
 誰がその言語行動のオーディエンスなのかを、きちんと想定してレポートすることも、シミュレーションの意味を大きく変えていくものになり、またそのことを考えることこそ、研究(実践)倫理のでもあります。