バリフリ心、これまでのまとめと今後の計画

marumo552008-10-19

 介護実習・体験その他で、前回初めて授業に来たという人もいたので、ここで簡単総括と今後の計画。シラバスから離れていくようですが悪しからず。
5.までは昨年までのものと同じですが、できれば6.の究極の「人的コミュニケーション援助」のFC問題について紹介し、わたくしも、これに関するトラウマから解放されたく思っています。でっきるかな?

1.ノーマリゼーション、インクルージョンバリアフリーユニバーサルデザイン
「障害」に関わる様々な概念
1)動分析学的な枠組みから、それぞれの概念はどのような目標をめざしているといえるのか? また現実的にはどのような事が重点的に問題になっているのか?
  「障害学」(石川,1998)における、「同化−異化」×「統合−排除」のマトリクス
2)行動分析学からみた個人のQOL向上とは、「正の強化で維持された行動の選択肢の拡大」である。 
3)援助においては、当事者にとって「given」ではなく「get」できる環境設定が重要である
4)「対人援助(支援)とは、その機能を考えると、援助・援護・教授という3つの作業の連環として捉えることができる。
  
2. 物理的バリアフリ−:電動車椅子の操作や介助を巡って
   自立と自律とは異なる。
     自立:単独で行う
     自律:(援助つきでも)自己決定の上に行動する
   
3. コミュニケーションのバリアフリー
(1) 行動分析学的にコミュニケーションを考える
(2) 言語行動という行動:言語行動の機能と形態
使える表現モードはなんでも繰り出す「トータルコミュニケーション」という考え方
(3) 「携帯電話」の言語行動の機能
・携帯電話やその他の通信機器を特徴づける「モード」(表現形態)と機能の関係
(4) 携帯電話(メイル・写メール)を用いたコミュニケーション
お使い、居場所報告、写メを用いて食堂で注文する
      ろう重複の障害のある成人に対する携帯電話使用のための支援
      後天性の失語症のある成人に対する携帯をAACとして用いた実例

4. 多数派(口話中心の言語行動)と少数派(手話中心の言語行動)のあいだを、とりむすぶコミュニケーションのバリアフリーの方法
(1) 抽象的概念の獲得を支援する、という文脈の中で、聴者の概念とろう(重複)者の概念の共有を確認できるか?
(2) 色、味、時間の概念の共有には?
条件性弁別学習、条件性条件性弁別学習という手段によって、それぞれの属する言語文化の持つ文脈性をいったん解体できるか?
 
5. トータルコミュニケーションマシンとしての携帯電話
    テレビ電話機能を用いて、ろう(重複)者どおし、あるいはろう者と聴者のあいだで、コミュニケーションは可能か?

6. コミュニケーションのバリアフリー
  自律的コミュニケーションはどのように担保されるか?
  他立的自律(人的な援助に支えられる自律)はどのように確認できるか?
  FC問題(Facilitated Communication)とは何だったのか?

7. 科学、応用行動分析学、対人援助学