ミニ学習心理学史

marumo552009-05-01

 「対人援助学」のスタンスは、「学習心理学」の歴史を並べてその最後に書き込むという作業の中からもその特徴を見出すことができます(かも知れません)。


 「心理学研究入門」(学部1回生)の最初の課題も、Pavlov,Watson,Thorndike,Kohler(本当はoはウムラウトね)、Skinner, そして「望月昭」という心理学の「学習理論」の流れを書いてもらうというものです。班ごとの発表です。情報検索技術(みんな先輩の作ってくれたマニュアルがあるよね)、プレゼンテーション(PowerPoint作成ふくむ)、配布レジュメ(PP6こま+文書資料)の作り方という具体的課題が入っています。そして自分で「contextを表現する」ということの練習です。そしてグループ研究における「分担や連携」の実習でもあります。

 連休に入ってしまって大学資料が集めにくい状況にあると思いますが、休み中も図書館は開いています。 
 Pavlovから望月昭まで、という流れの「最後の人」には直接インタビューすることが可能です(他の人はもう故人)、直接インタビューすることができます。

 サンプルPPとWORD資料のアップが遅れてすいません。本日中にわたくしのHPにアップの予定です。

 そしてこの課題の本当の目的は、この「学習倫理学」の流れの最後の最後に、自分自身の位置づけを書くということです。1回生の今の時点で、心理学の中の自分の位置づけなんか、できない、と思われるかも知れませんが、そんなことはありません。書き方はいろいろあると思いますが、常に、ここまで学んだ内容を知識のみとして位置づけるのではなく、自分がこれからやるときに、この人の考えに近い、その「近さ」とはこういうものである、という程度でよいのです。心理学史にしても自分史にしても完成されたものなど将来ともにないと思います。しかし、常に、それらのことを表現しつづけるという事が重要なんです。
 心理学専攻の諸君は、諸君が4回生になったころは、英文のアブストラクトが卒論に義務付けられると思います。アブストラクトというのは、今の自分が表現できることなのです。たとえていえば、ここ京都ではよく外国人から道を訊かれたりしますが、そのときその外人から「おまえは何を研究しているのか?」と訊かれたとき、2分以内で自分自身をサマリーできるか、ということです。
 この自分サマリーを絶えず準備しておき、更新し続けることが今後、研究者になろうと、ビジネスマンになろうと、臨床家になろうと、教員になろうと非常に重要です。とくに臨床家、教員志望の人は、これまでそういう教育を受けてこなかったんじゃなかろか、と思うプロも多いので・・・


 ちなみに、上記の歴史メンバーに、Skinnerの前に、Hull,Tolman,Guthrie (つづりがいまいち自信が)を挿入してもよいです。そのほうが、教科書的には表現しやすいかも知れません。さらに、Skinnerと横並びに、Banduraを入れてもいいです(最近の既存のテキストにはよく入っているので受験勉強的には入れてもいいし、Kohler,Tolman の流れからの到達点という感じで書いてもいいですね。



 09年度も「シネマ企画」をやります。詳しくは人間科学研究所のHPにもあります。最初のテーマは「裁きのその後で・・加害といかに向き合うか」です。立岩真也先生も第一回目に監督と対談、という具合に、今回、生存学(GCOE)の皆さんにも強力をいただき豪華キャスターで展開します。
 http://www.ritsumeihuman.com/news/news_09/temp/090516.pdf