産業カウンセラーシニアコース講座(in大阪)

marumo552009-05-16

 新大阪で、日本産業カウンセラー協会「シニアコース講座:『行動理論』」というタイトルの授業をやらせてもらいました。去年は桜の咲く頃だったような気もします。
 これ必修科目なんですね。学習のねらいも講義要項もすでにできあがっていて(お、given)、それに沿って講義するというすっきりした条件なんですが・・・
 
 6時間、話を聞いてくださった受講生のみなさまありがとうございました。
この授業でのねらいは、受験対策や「知識」のみではなく、実践活動に向けての枠組み作りです。
 講義要項にもある「学習・行動理論の系譜」「理論的基礎としての学習理論」という部分について、これをHuman Services (対人援助)の実践という、現状での職業的対応という視点から逆算して解説したものです。あれ。これって、金曜日に研究入門の1回生がやってたな。まんま学生さんからいただき(理想の教育状況だな)。

 当日資料(その1からその2)は、私のHPにアップしてあります。
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/


 たぶん昨年も言ったと思いますが、産業カウンセラーという職業も多様でしょうけど、企業や組織のなかで、個別に「心の問題」を抱えちゃった個人に、別室で『臨床』するノリでは最初から限界があると思います。スクールカウンセラーがそんなモデルで展開しようとして限界きたしちゃったのと同じです。
 ちょっと障害者就労支援のことでも触れましたけど、産業カウンセラーというものの存在意義というのは、「職場の診療室」ではなくて、まさに職場で働く人の「就労支援」しかも、「就労継続のための支援」なんだ、という発想の転換が必要なんじゃないでしょうか(って、勝手なこと言ってますけど)。仕事自体が楽しくならなきゃ、やはり最終的にはダメでしょう。
 仕事はつらいもの(=負の強化で維持)という認識は、「勉強は我慢してやるもの」と同様に、共通して存在するように思いますが、言うまでもなく、それではいつか「カウンセリング対象」となる人になってしまいます。「落ち穂拾い」「従軍医師」ではなく、どまんなかで「正の強化で維持される行動」をコーディネートできるような存在になるにはどうしていけば良いのか。
 対人援助学会でも採りあげたい課題ですね。