行動分析学特論資料その他

marumo552009-06-15

 16日の行動分析学特論(その4)の資料をアップしましたので、各自DLしてください。
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/09BA4.ppt

 学部「応用行動分析」では、「おばあちゃんに携帯メイルを教える」ための課題分析を書いてもらいました。それを他の人に見てもらってのコメントですが、「課題内容が荒すぎる」というのが目立ちましたね。もちろん対象者によるわけですけど、なかなか普段自分がやり慣れていることを、文章に落とすのは難しいもんです。つい省略してしまう。
 
 最後に書いてもらったのは、「やり方を教える」にしても、どんな状況を想定したら”おばあちゃん”のQOL拡大につながるか、というものでした。ほんとはこれが一番難しいかも知れませんね。課題分析の中の行動項目としては、「宛名を書く」「タイトルをつける」というものです。返信ではなく新規メイルの発信という「自発的行為」への援助の難しさのひとつはここですね。
 
 回答の中に、「すぐに返信をしてくれる相手に向けて送信する」というものがありました。これはとりあえず正解ですね。強化が想定されなくちゃね。
 発信に対する返信の強化力を増大する事態(=確立操作)としては、ポジティブなものも、ネガティブなもの(例えば、迷子になったらメイルする)もありますが、困ったときではなく、楽しい行動となり維持するような場面をいかに想定できるかが、応用行動分析のキモですから。


 先日のシネマに来てくれた人がコメントをくれました。死刑は本当に最大の罰なのか。死刑というのは行動分析でいうところの罰にもならない、といった感想です。そうですね。繰り返しのある行動を対象とする行動分析としては、死刑になる当事者の行動については、もはや何も言えません。どうにも言及できないという点で、すでに賛否以前の問題として「生の剥奪」というのは神様の領域ではないか、というのがとりあえずの結論ですね(ちょっと情けないものですが)。