デジカメだからできること(バリフリ心のコメント)

marumo552009-10-25

 前回のバリアフリーのための心理学で回収した皆さんのコミュペの紹介です。「携帯電話はAACマシン?」というテーマを考える予行演習のつもりで「デジタルカメラを使った学校教育の可能性」という質問に対するみなさんの意見です。

 デジカメを使うことのメリット。
「自分で絵を書く」ということと対比して、描画のスキルがなくても、
1)簡単な反応(シャッターを押す)で記録に残せる(反応の容易さ:高齢者や障害のある子どもでもできる)。
2)撮影したものをすぐに取捨選択したり、撮影したものの中から自分のベストを「選択する」といった行為が可能である。お、これはポートフォリオの原型か?

上記のような特性を前提に、
●他者とのコミュニケーションにおいて、「好きな風景・事物」について他者が撮影した物と比較したり議論ができる。
●自分で撮ったものにせよ、自分の言葉と違って「証拠」にできるので公共的な作業記録ができる。時間遅延なくすばやく自分の作業を他者から確認してもらうことができる。
●自分で描画した場合にはその絵が何を示すものか、他者にも自分自身にも判別が難しい場合がある。そして、単に、花とかネコとかといった普通名詞ではなく、友達のA君とか妹のB子とか、あくまで替わりのきかない「固有名詞」のつく対象の記録を共有したり、それについて話題にすることができる。好きな「絵画」などを特定し、伝える場合も同様である。

 というふうにまとめることができました。具体的には理科の勉強に使う、図鑑を作る、といった教育実践的意見と、わたくしの授業中での解説からヒントを得たと思われる、他者とのコミュニケーションの道具としてどう応用可能か、といった内容が多かったようです。
 一般にあまり使われていない道具を、ある場面に入れてみる。そこにはどんな可能性が生まれるか。どんな行動の成立に、特定の機器が役にたつか、ということをあらかじめ特定せず、ともかく入れてみると何が起こるかな? といった発想も時には必要です。携帯電話の使用に関する研究もそんなところがあります。最初から結果がわからないけど、I wonder what will happen if・・・・・
というノリですね。