GivenじゃなくてGet

 曽野綾子さんのエッセイ「昼寝するお化け」(その463:週刊ポスト2011年5月27日号)に東日本災害の被災した人たちの生活に関わり、以下のような記述がありました。行動的QOLに通じるエピソードとして紹介します。

 御自身がアフリカで、チャーター機で飛んだとき、その機の「車検証」のような書類に不時着時にパイロットがすべきことが書かれていたそうです。まず、「火災の危険があったら全員が機体から離脱」、そして「負傷者の手当て」、そしてそれがすんだら、「機長は全員に生き延びるために必要な仕事を割り振る」、とあったそうです。「仕事を割り振る」というところが重要。

 さらに、砂漠を車で縦断するとき、てっきりお客さん扱いで眠っていればいいと思ったら、しっかり6時間くらい運転を命じられたそうです。これには、砂漠では、仕事のない、お客扱いされている人から不満が噴出する、そして仲間割れの原因になる、という鉄則があるからだとのこと。

 2つの体験は、「人はいつでも、どんな場所でも、任務がなければならない」を示すものと曽野綾子さんは語っています。いや、まさしく、givenではなくgetの話ですよね。