脳がよみがえる

marumo552011-09-18

 朝がた、NHKスペシャル「脳がよみがえる」の再放送をみました(9月4日に最初の放映)。

 「脳卒中・リハビリ革命」という副題のついたこの番組では、これまでリハビリをするには時間が経ってしまったような人でも、ある方法を用いれば回復の可能性があることを、特定人物のリハビリの経過を追いながらのドキュメント。
 川平法、あるいは促通反復療法という方法を中心にした内容でした。簡単に言うと、動かなくなってしまった部位を「動かそう」と「脳」が「指令」するタイミングで、当該部位の当該運動を外的に支援することで、回路復元というイメージです。ちょっと動いたらその当該反応を外的に支援して動かす、というこの感覚は、かの「心理リハビリテーション」(「動作法」かな)の解説を、30年くらい前に、実際に身を以って体験させてもらったときを思いだしますね。あのときは、おお、デンショバトのシェイピングの感覚(というか、今は禁じ手のハトの体重を計測するときに羽を折りたたむときの感覚)と近いなと思ったもんでしたが。
 その特定部位についての上記のような方法を毎日10分くらい連続的にやると、ほんとに動かなかった手首が動くようになる、というもので、これは確かに革命的かも、との印象あり。今回は脳画像の変化という「強い味方」もあり。
 「脳がよみがえる」って、ま、援助つきで行為を繰り返すことで、行動が蘇るわけですが、そこで使っているPTの巧緻性(?)のテストみたいなものが指標になって点数つけて、10点だったものが、この訓練の結果、64点とかに上昇するところをこのドキュメントは追っています。

 そこでちょっと。この患者さん、途中でこの点数がちょっと頭打ちになってなかなか伸びないという時期があるわけです。それを打破したものはなにか。
 それはなんと! ていうぐあいに、ちょっと「試してガッテン」風な展開があったわけですが、それは「ほめる」のが重要なんだそうです。って、おいおい、。それまで、リハビリ中に強化しなかったのかよ。しかも、その伸び悩みの時期に医者がまずしたのは、本人に「脳画像」を見せて、成績は上がってないけど、脳画像では確かに変化してるんだから、って励ますシーン。でもその伸び悩んでいるっていう定点観測的巧緻テストのパフォーマンスの様子をみると、そこでもちゃんと最初に較べたら、全然、改善しているじゃん。なんで、せっかくNHKが山ほどビデオもとったであろう映像記録を比較して見せて「こんなに変化してますよ」って本人に見せて、励ます(ほめる)ことをしないで、「脳画像」なんだろ?

 さらに、「ほめる」については、最近の海外の研究(名前忘れた)で、ほめた場合と、ほめない場合では、リハビリの効果が違うというエビデンスが大々的に紹介されました。その研究者自身が「まさか、ほめるとこんなに違うとは・・」って、いままでどういうリハビリしてたのか? 
 極めつけは、この「ほめる」のやり方として、大切なことは、「具体的なことを誉めること」と「すぐに誉めること」なんだそうです。自身もリハビリ中という元NHKのナレータがいうには、「このことは、リハビリだけではなく、子どもの教育にも言えるんじゃないでしょうか(とかなんとか)」って、おいおい。