くりかえしのある

 行動福祉の勉強をするにあたって、行動分析学の基礎をおさらいしてます。オペラント行動という「行動」の見方について、「反応に後続する結果がその反応の消長を決定する」っていう部分がわかりにくいみたいね。授業の後でそこのところがわかんなかった、という質問もありました。先行刺激〓反応〓後続刺激、という3つの要素で行動を表現した時、後続刺激が、それよりも「前にある」反応に影響を与えるというのは、確かに一見おかしく見えます。「ここが行動分析が論理的におかしいとこ」って、今から30年前(誰も生まれてないか)、いまや認知行動療法の親方の一人であるS先生もよく言ってたな。なつかしい。
 ここで「後続事象が反応に影響を与える」(先の表現では『消長を決定する』)というのは、直前の反応そのものという意味ではなくて、次の機会に同様の先行条件を与えられた場合に、当該の形態を持った反応がまた生じるか、生じないか、ということです。
 ということは、つまりオペラント行動という「行動」の見方は、そもそも、一回限りの行動について云々するものではなく、あくまでも「繰り返しのある」行動を対象にしているということです。繰り返し観察できる行動について、それが「増えていくか減っていくか」(消長ですね)、そのことを特定の結果事象が決定することがあるということです。
 なんでもかんでも結果になにかあれば影響するというものではなく、例えば、結果事象の中でその行動を増加させたり維持させる機能を持っているものもあり、それを特にその行動に対する「好子」といったり「正の強化子」といったりするわけです。
 繰り返しのある行動でないと分析の対象にしにくい、そして、ある後続刺激が、うまいこと強化子として働くのを確認できる場合もある、という、そういう非常に謙虚な枠組みなんですね。行動分析学というのは。この「謙虚さ」も、実は対人援助の実践において行動分析学を援用する大きな理由であると自分では思っています。


話は変わりますが、いよいよ引っ越し。待望の「三つの『ほぐち』のあるキッチン生活」。
料理学校に通い始めた教育人間学のN先生に負けないようにQOLを高めるぞお。
(しかし、いきなり散らかるのはどうしてだろう。)