作業ミス(1)

 引っ越しに伴う環境変化の中で、いくつかの「作業ミス」を体験しました。

まずは問題。以下の単語の右側の○印には、どんな漢字が思い浮かぶでしょうか。
          厳○
では、次の単語ではどうでしょうか。
         朝出し厳○

 実は、これは新しい住まいのエレベーターホールに貼ってある掲示の「ゴミ出し」に関する注意書きの一部です。
 全文は、
 「生ゴミは、火、木、土 に出してください。
  朝出し厳守。ゴミは午後4時ころに回収されます」
というものです。つまり上記○の内容は、実際の文章の中では「守」だったのですが、1週間ほど、わたくしは、「禁」、つまり「厳禁」と読んでいたわけです。これには非常にとまどって、いったい、いつ出したものやら悩んでたわけです。
 前の日の夜に出すと、カラスとかに散らかされるという話はよく聞いていたので、前日に出してはいけないだろう。でも、朝が厳禁となると昼に出せちゅうことか?しかしなあ。とか思いながら、1週間をゴミの山の中で過ごしたのでした。
 たまりかねて、管理人に「意味わかんないす」と尋ねて、改めて看板をよくみると、な、なんと「厳守」だったわけで、大いに恥じをかきました。
 このミスは一種のイントラバーバル行動、つまり、「ににんが」とくれば「し」と口に出るような一種の連鎖的な行為として、「厳」とくれば「禁」という風に私は読んでしまったということでしょう。
 ま、ゴミ出しですから、それほど大きな事故も起こらない話ですが、当事者の日常の行動連鎖とはちょっと違う先行刺激が出た場合、なかなかそれにうまく反応できないこともあるということです。はい。(たんに老眼と認知能力の低下じゃないか、というつっこみも聞こえてきますが、そういう個人属性に帰することは行動福祉的発想にはなじまない、ということは既にこれまで述べた通りです)
 このミスには、筆者の個人的なイントラバーバルの歴史が別の部分にも作用していて、その内容はどんなものか、というさらに深い分析も可能ですが、それは差し控えましょうね。