KAKENHI

科研費」(科学研究費)というのは,いわゆる競争的資金とよばれる様々な研究資金の中でも,もっとも一般的なものです.この季節になると教員一同一生懸命に申請書類を書きます.
 ところで,この科研費なるもの,新聞に出るときは,たいていその不正利用の事件ばかり.先日も,K大で科研費の不適正な流用が記事になっていました.円滑な研究遂行続行のために余った部分はプールしておきたい気持ちは,研究者としては痛いほどわかりますが,これはもちろんご法度.
 この科研費について,暗い話としてではなく,どんな研究を実際に行っているのかを社会に知ってもらおうという企画が学術振興会から出されました.題して,「ひらめき☆ときめき サイエンス〓ようこそ大学の研究室へ〓KAKENHI」というものです.☆マークがついていたり,ローマ字が使われていたりと,明るいイメージを出すための関係者の努力が偲ばれます.この企画,中学生,高校生向けに,科研費で行っている研究を,わかりやすく公開するというもの.
 白羽の矢が天井に刺さりました.当方でやっている科研費(萌芽研究)の「障害者のための携帯電話の利用」に関する研究を中高生向けに公開することになりました.
 音声モード以外の,つまり視覚モード,それも文字メール以外の様々な機能を用いて,どのように機能的言語行動の成立が可能かを考えるとうもので,中高生諸君にも知恵を絞ってもらうことにしましょう.彼らのほうが,ケータイは日常的な道具だしね.
 これを使えば,こんな事できるのに,それを妨げているものは何かな,といった内容(主に経済的問題)なども含めて中高生に対人援助の実践の包括的内容を説明したいと思います.うけないかな.じみだし.