ベテルの家

 行動障害心理学(10/18)をさぼった人へ(居た人も).
今回,ベテルの家のビデオ「ベリー・オーディナリー・ピープル」の6巻を見て,設問に答えるレポートを出しました(さぼった人はWebCTの資料-行動障害心理学2回-をダンロートして確認してください).

 ビデオは大学の視聴覚教材のストックにもあると思います.私の部屋にもあります.応用人間科学研究科の実験・実習相談室(創思館プ301)にもあります.学部の人が応用人間から借りる場合,学部生であることがばれた場合,そこの管理人に魔法をかけられてカエルにされてしまうので注意してください.

 今回のレポートの趣旨は,私がもっとも伝えたい「行動的」な行動障害に対する対処の理念と方法論に関わるものです.授業を展開する前の,言わばプレテストにあたるものですので宜しく.
 医療モデルあるいは「変な心理主義」と決別していくというところがそのキモです.「SST」とかもやってるけどその内容は・・という感じのところが重要です(ちなみにSSTに対する私の「感情的」批判論文は「行動科学研究」のバックナンバーにもあります.1996年,34巻).

 推奨ビデオ「Ray」.数年前に亡くなったレイ・チャールズの伝記的映画.すごいジャンキーだったんですね.ま,当時のアメリカのジャズマンとかはふつうにそうだったようですが.それと,レイが田舎からシアトルに出てきたとき,最初に口きいた相手は,かけだし小僧のクィンシー・ジョーンズだったんですね.このふたり,ともに大衆迎合なんぞと批判されてた時期がありましたね.初期にはオリジナリティがない,という悪口も言われてたんですねえ.極貧の生活の中で,お金を得るためには,皆に受けないとダメという思いが,ずっとあったんですね.
 ゴスペルとジャズっぽい歌詞を重ねるという彼の持ち味は,しかし,最初は大変な「ばちあたり」な行為だったんですねえ.そして,人種差別に抵抗してジョージア州のステージをドタキャンして,ジョージアから永久追放みたいな処分を受けてたとは知りませんでした.それが,わりと最近になって「ジョージア・オン・マイ・マインド」がジョージア州の州歌になるまでになったんですねえ.アメリカの現代史でもあります.

 で,まあそれはいいんですが,結局あれです.薬物中毒も無類の女好きも幼少時代のトラウマが効いてて,最後の最後にやっと克服っていう流れはちょっと興ざめだなあ.斉藤環氏も書いてるように,こんな心理主義はもうたくさんだよなあ.
 推奨ビデオっていうには,ちょっとそういう意味で問題がありますが.まあ,アメリカの歴史もわかるし,出演者はみな熱演.