「立命館人間科学研究」

 立命館人間科学研究は,人間科学研究所の紀要です.
紀要といえば,一般的に,うちわのメンバーによる形式的な審査によって(実際にご自分の業績の欄に本誌の論文に「形式的査読」と注釈を書いている先生もおられます),ともかくサーキュレーション(発行)の速さに優先性をおき,内容はいまいちというイメージがありました.
 昨年から人間研所長として編集長も兼務していますが,幸いにも投稿数もコンスタントで,最近では,現在の年2号発行から年3号に移行することも議論されています.そうした状況の中で,2005年度より,査読のシステムと機能を少しづつ改良しようと試みています.
 「査読」とは,編集者から依頼を受けた匿名の研究者が投稿論文の内容についてチェックしこれを掲載すべきかどうか判定するとともに,たんにダメだしではなく,より良いものとするための意見や本来的な意味での「批評」をし,執筆者とそれを巡って意見交換をし,相互にその内容を高める生産的コミュニケーションの機会です.
 「人間科学研究」では,2005年度より,これまでの研究所運営委員が兼務していた編集委員のみが査読するという方法を改め,可能な限り運営委員外の,学内・学外の研究者の方にも査読をお願いするようにしています.そのゲスト・レビュアーの方には,投稿論文の内容にふさわしい斯界の第一線の方にお願いしています.
 「発行までの早さ」と「質の高さ」は,えてしてトレードオフの関係になりますが,研究支援センター・スタッフの方々の絶大なご協力もあり,なんとか予定発行日に間に合うよう予定を組んでいます.
 院生諸君も,ここは外部の「あの,あこがれの研究者」の胸を借りる場でもあります.どんどん投稿してください.学部は問いません.
内容も「人間科学」ですから,ほとんど森羅万象に近いですから.
最近は,政策科学や文学系の方の投稿もあり,面白くなってきています.