大雪

 京都でこのくらい大雪がふったのは,8年ぶりくらいではないでしょうか.2限目から授業なんで,早めに出ようと9時前にマンション出てガレージから車を出そうとして,パズル式ガレージのスイッチを入れたら,
 「ガスッ」とかいったまま動かない.
この雪の中,新品のスタッドレスタイヤを四輪で駆動して活躍するはずのレガシー君,凍結ガレージに幽閉.しかもドラゴン杖も松葉杖も車の中.
 そこで,メンテナンスに電話をいれると,京都中でガレージ故障で昼にならないと来られないとのこと.だいたいこの雪の中,ガレージを動かそうとしたお前にも問題があると言わんばかり.今月分,駐車料金拒否します.
 穏やかに電話で悪態をついたあと,とぼとぼ徒歩1分のバス亭まで歩きだす.案外,雪のクッションで膝はそれほど痛まない.そこには,お仲間数人.災害時の連帯感で気軽に話しかける.
 M「バス動いてます?」
 「前のも来てないみたいよ.H谷の坂で渋滞してるんじゃないのかしら」(この人,なんとハイヒールだよ.)
というわけで,ぞろぞろ歩き始める.
 次のH谷口のバス停では雪難民の人がたくさんバス待ってはる.谷から脱出するには,いったん坂を上って,その後はスラローム的下り坂を行くコース設定なんですが,そのバス停は,その坂の登りが始まるところにあります.そこでは,この峠坂にチャレンジしようという乗用車が自分の順番を待っている状態.一台づつスタート.たいてい途中で滑って,バックでまたバス停の前のスタート地点に,ずりずりともどってくる.さすがにFR車(後輪駆動)でやろうというのはいないようだが,FF車(前輪駆動)の夏タイヤでトライする車が多い.
 馬鹿じゃないか!
3回目にチャレンジしようとズリズリしている車の運転手に,
「これ夏タイヤじゃないの? あぶないからやめろよ.迷惑だし」と文句を言ったが無視された.せっかく北欧車(サーブだったな)に乗ってるのにスタッドレスはかないとは,京都のドライバーって,まったく雪(車生活?公共マナー?)に慣れてないな.で,このサーブ,絶対,失敗しろと念をこめたのに,4回目で超えていきやがった.
 8年前の雪でもそうだったが,交通規制をするべきである.前回も,ふもとに警官がいたにも関わらず,FRだろうと夏タイヤであろうと,平気で通して,あげく途中で登れず,横になったままギブアップの車が続出.おかげでチェーンをつけたバスも通れず.危機管理ができていない. 何のためにいるんだそこの警官.まさか朝ぱらから酒気おび検問か? おまけに,あのときは,次の日,雪も完全に消えたんで,バイクで通勤した挙句,ヘアピンカーブで,なんと使用ずみの除雪剤の袋に前輪が乗って自爆大転倒.コート一着と運転技術系自尊心をぼろぼろにしたんでした.わたしはあれでバイクやめました.
 で,今回,結局,また歩き始めて峠を下り始めたら,凍結していて靴が滑る.猛烈に膝が痛みはじめる.さっき一緒だったハイヒールの女性といえば,はるか先まで行っている.そうか.ハイヒールはスパイクタイヤのようなものなのか.目からうろこ.
 もう,これは無理だ.きっと大学も一斉休講だろうと期待して,携帯電話してみると「センセ残念でした.30分遅れで授業あります」.しかし30分とは微妙に中途半端だな.
 結局,スタート地点に戻って,ずりずり車を見ながらひたすらバスを待つ.峠ごえに失敗したズリズリ車のドライバーも,あきらめてバスを待つ.
 というわけで通勤に1時間半もかかってしまった.ふだん10分.
 7時限目の授業について,独立研事務所には「marumo先生の授業,今日は休講ですよね? 寒さで膝が痛むとか,なにかと理由をこじつけて休講にするタイプの先生だし」という電話が山ほど来ていたとのこと.
 甘いな.こんな苦労して来たんだから,意地でもやりますよ.こういうときに限って,意味なく燃える性格であることがまだ理解できてないな.最終バスの時間まで,みっちり授業します.おそらくR大全体でも年内やっている最終授業だろう.
 学部ゼミのU,2時限目の前に,雪だるま作ってたのを目撃したぞ.授業さぼったな.ざぶとんと成績10点剥奪.同じH谷にすむ大学院クラスターのI,「きょうは引きこもります」って,Nにメイルしてさぼったな.高齢膝障害の教員だって出てきてるんだぞ.罰はこれから考える.この雪にバイクで来たN,お前,この前,北大路で乗用車に突っ込んだばかりだろうが.ったく,どいつもこいつも.