実践障害児教育6月号

marumo552006-05-15

実践障害児教育6月号の読者の方へ 

実践障害児教育「対人援助学のすすめ6月号」をお読みになった方は、このブログの過去の日記にも「ファーストステップジョブグループ」の記事があると思いますのでご参照ください。また、上田さんと私、望月の特別例会での発表内容は以下のアドレスにありますので、併せてお読みください。
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/uedacomplete.pdf
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/mochicomplete.pdf


在学院生諸君への宿題


 本日、大学院の授業「行動分析学特論」で話題にした「援助つきコミュニケーション」の問題に関して、FCを巡る「行動福祉」あるいは「対人援助学」からのコメントとして、以下の論文1)を参照ください。これはFC(ひきるな君とかね)の「真贋論争批判」です。
1)望月昭:「行動分析(行動福祉)の観点から表出援助(STA)を考える:ヒューマンサービスの新たな展開の中で?」, http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/FC.html 国立特殊教育総合研究所、特別研究報告書、81〜93、2000年3月、

さらに、上記のものの内容を理解する上では、
2)望月昭:講座コミュニケーション指導・再考(10回連載).月刊実践障害児教育,1998-1999。
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/14-Mochizuki(1998-1999).pdf の前半部と、
3)望月昭・野崎和子:聴覚障害児における「抽象的概念」の獲得援助に関する予備的展望:「物には名前がないこと」の理解への教育段階的アプローチ.聴覚言語障害、22(2)、1993
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/mononiwa.pdf
を読んでおくとわかりやすくなります。これらについては、大学院では授業の後半で「自己決定」などの話題に触れたときにまた解説します。

「対人援助学のすすめ」にも絡めて、援助、援護、教授といった機能に分解する前に、そもそも行動分析学がもつ「障害のモデル」について総括したものが、以下のものとお考えください。

 これまでのところを「おさらい」する意味で、以下の二点を、全員読んでくることを前提とします。4)と5)が宿題となります。
4)望月昭:障害児(者)教育における行動分析的手法の意味.上里一郎(編著)心身障害児の行動療育,第二章、20-41.(同朋舎). 1988.
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/12-Mochizuki(1988).pdf
この論文は、当時広島大学におられた上里一郎先生の「科研費セミナー」で、行動療法と行動分析のどこが違うかを必死に考えて、手持ちのデータなどを踏まえて論説したものです。稚拙さが目立ちますが、わたくし自身が、行動分析学の意味について、コロニーでの体験なども背景にして「文脈の転換」をはかったものです。

5)望月昭:福祉実践の方法論としての行動分析学社会福祉と心理学の新しい関係−.社会福祉学,30(2),64-84.1989
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/fukushijissen.pdf
この論文は、心理家あるいは行動分析家として関わりの少なかった「社会福祉学会」の学会誌である「社会福祉研究」に、4)のいきおいを駆って投稿したものです。当時の会長だった岡本民雄先生から電話が入り「あんた何者?」という感じで誰何された思い出の論文です。


写真は、衣笠猫その4のアップ写真(リクエストにお応えして)