反応?行動?

marumo552006-05-22

 昨日は、行動分析学会の理事会が立命館大学でありました。
学会運営の話とは別に、行動分析学についての研究など様々な情報を交換することができます。今回もいろいろと話が出たのですが、行動分析学の講義で「行動」と「反応」について、どのように教えていくかという話を、先輩のA先生から聞く機会がありました。
 A先生いわく、ちょっと前から、オペラントに対して「ABC分析」という形で「ごろあわせ」の表現をとることが多くて困る。B=behaviorというものは、そもそも先行刺激と後続刺激をすでに含んだ関係的概念として説明したいのに、ABCと表現されると、先行刺激(A)、行動(B)、結果(C)という具合に、「行動」(B)とは別に、環境刺激(A,C)が存在することになっています、というわけです。
 わたくしも全く同意見で、授業中にもあえてクラシックな、
    SD--R---RFT 
という三項随伴性の図式を使用しています。
 三項によって、初めて「行動」というものを表現できるという発想は、「障害」などの問題を考える上で、個人と環境との関係の問題であるということを認識したり、具体的対応をするには重要な要件であろうと思います。
 ABC分析というのは、ひたすら「個人のリハビリ的意味でBに対応する」というニュアンスとして行動分析学が捉えられてしまう可能性もあり、その意味では、どうも、よろしくないというわけです。
 
写真は、衣笠猫(その5?)校舎脇の茂みでピーピー泣いているのを学生さん保護(?)
「泣いている猫拾っちゃったけどどうしよう?」という状況は、一生のうち5回はありますね。