障害程度区分審査会

marumo552006-06-15

 障害者自立支援法にもとづくM市における障害程度区分審査会がいよいよ本格的に動き出しました。
 M市の会場まで1時間15分で行けるようになりました。帰りはまた迷子になって、ずっと南まで下ってしまってやはり大学に戻ったら7時すぎ。
 
 審査会の役割は、すでにコンピュータで判定されている区分判定に対して、医師意見書、特記事項などの内容を吟味して、改めて審査するというものです。すでにこのブログで研修会のときの様子は紹介しましたが、いろいろとまだ課題を抱えているようです。「精神症状」や「能力障害」についてのポイントを、障害の内容(例えば、統合失調症と知的障害)で同じように勘案できるか、身体的問題が過大評価されていないか、等などです。
 かなりじっくり書類を検討して行ったつもりですが、なかなかやはり介護判定などでの評価方法の経験値のようなものに、判定が左右されるような印象です。
 前にも書きましたが、この障害程度区分の審査は、家族や地域資源などとの関係とは、切り離してその個人の「属性」を評価することが求められています。もちろん、いわゆるimpairmentのみではなく、買い物とか料理とかなどのIADLといった行動的評価もありますが、QOLの拡大に向けて、つまり行動的選択肢の拡大にどれほど援助が必要か、という前向きの評価ではなく、ともかく現状のまま、生きていく上でどれだけ手をとられているか、という、後ろ向きとは言わないまでも、言ってみれば「介護の程度」なんですね。
 そこでは、例えば、食事の際に、自分で手を伸ばすといった自発的行動が生じるには時間遅延をかける必要がある、といった場合よりも、まったく一方的に口に食べ物を運んでしまう、というほうが、ずっと手がかかるということになります。
 しかし、もし当事者のQOL拡大といった方向性を考えた場合には、前者の方が重要であり、かつまた時間もかかりますよね。
 よりよい方向に向けて援助を行うその内容というのが、本来の「ケアプラン」だと思うのですが、そういう前向きの方向性が欠けているように思えます。
 審査会というのは、ルールの公正な適用ということが、そのミッションの第一に挙げられますが、できたてのルールだけに、問題点は集約していかなければいけないと考えています。
 審査会などに参加されている方がいらしたら、ご意見をお寄せください。



写真は、雨の琵琶湖大橋