学部の口頭諮問おわり

marumo552007-02-10

 すでに旧聞ではありますが、心理学専攻の卒業論文の口頭諮問がおわりました。みなご苦労さまでした。
口頭諮問で、きびしいことを言われたという印象を持った人もいると思いますが、卒業される諸君に最後の最後まで教育をしたいという職業的誠意ですから、いじわるされたとか勘違いしないように。
 指導教員が主査の場合でも、口頭諮問ではまた別の角度からのコメントもあったかと思います。それは改めて公共的場(諮問)における第三者的評価という文脈の異なる視点からのコメントですから、これも「いまさら何いってんのよ」とか言わないように。

 行動分析的方法による卒論に関して、他の領域の副査の先生から、これまで聞いたこともなかったようなコメントをもらって戸惑った人もいたと思います。質問は大きく3つあったように思います。
 1)行動分析云々の問題ではなく、科学論文としての体裁に関わるもの。つまり論文リテラシーに関するもの。タイトルのつけかた。手続きの表現、などなど。この質問に関してはそのとおりなんで心してください。
 2)行動分析的方法の中での方法に関する指摘。昔は専門外の人は、行動分析学をまったく知らないので、こんなもんなんですか、という風な対応だったのですが、最近は結構みなさん行動的研究にも目が肥えてきていて、そういう質問もありましたね。それはそれで「心」して聞いておきましょう。
 3)行動分析学を殆ど知らないまま、行動分析的方法に疑問を示すような質問。最近はそういう先生は少なくなってきましたが、でも、まあ、そうした内容の質問も、2)のレベルに対応する質問であれば、そこのレベルで反論もしくは反省すべき点として捉えられるものも多かったですね。ただ、まあ、世の中には行動分析を、「オペラント条件付け」あるいは「学習理論のひとつ」というふうに思っている人もまだ少々ですが存在していて、20年くらい前の行動的方法についての批判論文を引用して、
 「・・・の実験知ってる?」ってなこと聞かれて、
「もちろん知ってます」というそのときの学生さんの対応は非常に毅然としていて結構でした。まあ私も研究入門程度で紹介している研究ですからね。


写真は仁和寺の風景