特別公開シンポジウム「臨床と人称」

marumo552007-06-03

 昨日、人間研主催(行動分析学会後援)の「臨床と人称」シンポジウムが1時から5時まで、創思館カンファレンスルームで開かれました。企画・進行・話題提供は武藤崇先生です。ごくろうさまでした。人間研スタッフ、アルバイトのみなさんもご苦労様でした。にぎやかしに本も販売してくれたミネルバ書店の吉岡さんもご苦労様。
 「人称性の混乱」という言葉を、このあたりの仲間うちでよく使います(主にmutto先生と私)。それは、対人援助という作業、すなわち「ほかならぬあなた(you)」を「わたくし」(対人援助実践・援助者)がどう関わり、どのような効果があったのかなかったのかを検討していくという「二人称」的な関係が、途中でうまくいかなかったときに、「あなたは、アスペルガーだから」(三人称としてのthey)みたいに投げ出してしまいかねない表現が、この世界でなくもない、というような場合です。
 そこでは「二人称」と「三人称」の混乱という表現になるわけですが、最近、「一人称の科学」といった表現をとる臨床的哲学あるいは実践の方法として提出され、ここで、一、二、三、と、いちおう駒そろいました、というわけで、このシンポは、二人称と一人称の対話と連携をもくろむことが目的でありました。
 一人称グループからは、帝京平成大学の村里忠之先生、イーストウエスト対話センター(当学非常勤)の村川治彦先生、二人称(行動分析)グループからは、武藤崇先生と兵庫教育大学井上雅彦先生が、話題提供、指定討論は一人称が当学、中川吉晴先生と二人称はわたくし望月、という組み合わせ。
 
 詳細は、テープ起こしされて、オープンリサーチセンターのシリーズ本として刊行(かつネットで公開)されます。
 わたくしの指定討論については、いかのリンクです。
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~mochi/firstperson.pdf
「一人称」に対する討論(質問)内容は、同リンクの最終ページ部分ですが、そもそもこの4枚目の図式(これは完全に二人称図式)の中で、「一人称」による方法というのが、そもそもこの図をあてはめることができるのか、現象主義的に「対象化しない」という枠組みで、そもそも「対人援助」という行為に言及することができるのか、という「そもそもの質問です」という質問から入りました。これで全然OKですというお返事をいただいたのですが・・・・・・