やっとでました「対人援助の心理学」(朝倉書店)

marumo552007-06-25

 足掛け3年くらいかかってしまいましたが、朝倉心理学講座17巻、「対人援助の心理学」が発刊されました。執筆者の皆様、大変遅くなりました。全巻の最後になってしまったかと思ったら、全19巻のうち、1巻(心理学方法論)を含めて、まだ3巻ほど作業中ですね。ほ。
 「対人援助の心理学」は、徹底的に2人称的な、しかも職業的対人援助に関して、代表的ないくつかの援助実践場面における現状と展望について第一線で実践・研究をしている方々に執筆してもらったものです。私は、編者として第一章で「対人援助の心理学とは」というタイトルで、このブログや学研連載でも紹介してきた「対人援助学」というものの可能性について総括的な内容を書いております。
 その他、看護場面(鎌倉やよい先生ほか)、社会福祉領域(芝野松次郎先生)、特別支援教育(武藤崇先生ほか)、心理臨床(藤信子先生ほか)、障害者就労(はね田文記先生ほか)といった顔ぶれです。そして最後になんと八木保樹先生に「援助行動における利己性と愛他性:人はなぜ援助するかについての実験社会心理学」というタイトルで、ここだけ対人援助「者」の心理学」について三人称的に書いてもらっています。ある意味、対人援助に水ぶっかけるような話。でも、これがあるぶん、他の対人援助系の本より厚みが出たように思います。急にお願いしたのに八木先生、ありがとございました。

 当初、監修の海保博之先生からの依頼は「看護心理学の巻を編集してください」というものだったんですけど、え?! なんでぼくが看護? といって断るのもなんなので、せっかくなので「ヒューマンサービスの心理学で、どうでございましょ?」と逆依頼。すると「ヒューマンサービスというのはどうも馴染まない」というお返事が朝倉書店からもあり、すったもんだして「対人援助の心理学」に落ち着いた、という代物でございます。これらのいきさつについては、本書の「まえがき」に、関連のエピソードは部分的に実践障害児教育2006年4月号(連載「対人援助学のすすめ」その1)で紹介してます。

 「対人援助学」を軸とした最初の本ですので、みなさまどうか買ってやってください。
あ、井上先生には1冊送るので、ブログでも紹介してね。

 衣笠近辺の方には著者割り引きで売りますので、直接、わたくしまで連絡を。