樋口宜男先生(BKC)の研究室訪問

marumo552007-07-25

 今日は、朝から校友会雑誌の対談企画で、BKC情報理工の樋口先生の研究室に訪問しました。
「ITのためのバリアフリーバリアフリーのためのIT」というのが、樋口先生の研究室の共有ミッションです。明快なテーマですよね。

 同じ大学の中で、お名前とテーマについては存じ上げていたのですが、実際にお会いしてゆっくり(2時間くらいかな)お話できました。
 対人援助という共通したテーマの中で、樋口先生は工学系、こちらは行動系という具合にツール(枠組み)は違うものの、こちらでいう「援助設定」をITに焦点化し、さらにそのITそのものへのバリアも低くする、という極めて明快な内容なので、大変、はずんだ対談となりました。

 先生の研究室において、「高齢者にPCを使ってもらう」というテーマの研究があったそうです。同じテーマでこちらでも(斉藤さんね)ありましたので、課題分析とプロンプトのシステマティックフェフィディングについてこちらからお話しさせてもらいました。(この部分は応用行動分析学の「記録」のところでいつも紹介するものです)ちょうど、その部分の図をコピーしてきていた(ヒット!)。

 IT機器などの学習についての評価では、その学習の測度としては、従来は、学習者の単独能力(=ability)の推移を辿ることが一般的でした。課題分析とシステマティックインストラクションというのは、「人による援助」が学習経過の中で入ることになります。
 人的援助と対比的なかたちで機器援助ということをとらえる場合には、こうした人的援助を含んだ機器に対する学習の指標というのは、いささかうっとうしいものと思えるかも知れません。樋口先生のことばを借りれば、「当事者のほかに援助者という、ふたりも人的要因が入る」ことになり、機器の評価が確かにややこしくなるのは歴然です。

 ま、しかし、IT機器というものは、新しい格差を生む材料になる可能性もありますが、一方で、
「おばあちゃんのPC使用をお孫さんが教える」とか「高齢者の人に地域の青年が教える」といった援助のありかたをうまく促進すれば、新たな援助的社会関係を生み出す契機にもなる可能性があると思います。
 そういえば今年も、卒論で高齢者のPC使用のマニュアルづくりに取り組んで人がいますね。そのマニュアルの最初の項目は「PCを知っている人を呼ぶ」という行動項目です。
 
 てな話などを、こちらからはさせてもらいました。

 対談の中身は、校友会の10月号に。

 樋口先生の研究室のHPは以下です。みんなも訪問してみてください。
http://www.ritsumei.ac.jp/~bfit/index.htm


 夕方には、朱雀キャンパスに行ったので、本日は、Ritsの3キャンパスを全部制覇。