樟蔭「行動分析実習」補講日と宿題

marumo552007-09-02

 今回、大雨で調子狂っちゃいましたけど、内容的には殆ど重要なところは終わっています。しかし世界の掟で、あと1日の補講が必要です。

 補講日は、9月13日(水)の10:00からです。たぶん教室も同じ場所ですので受講者はそこへ出席してください。

 2日目(30日)については、1時間目にオンタイムで出席していた人は関係ないのですが、それ以降の時間に出た警報によって出席をしなかった人(つまりは遅刻者ということか)の取り扱いについては、状況が様々なので、今回は、最終的に3日目(31日の第二回目の授業)を終日出席してレポート(レシピによる課題分析)を出し、かつ来る補講日に出席しそこでのレポートを提出した人を、今回の集中講義の成績判定の対象となる正式受講者とします。
 ただし、3日目(あるいは2日目も3日目も)出席したけれども、9月13日の補講日は、帰省その他で出席が不可能となった人には、別途レポートを課します。出題内容は、9月14日にこのブログにて発表する予定ですので、世界のどこにいてもアクセスして、所定の回答内容をmochi宛にメイルで送ってください。長期帰省の人の場合は、非常時における様々な社会資源を利用した通信実習(?)のつもりで、ネットカフェや、友達の家のPC、隣の家のPCなど社会資源を利用して送信ください。最悪、携帯による通信も可能ですが入力で徹夜になるでしょう。

 これまでの授業では、行動分析学あるいは行動分析的対人援助学の中核となる方法についてお話をしました。
 対人援助の目標は、対象者や状況がどうであれ、まず原則として、
1)一番大切なのは、その個人が行動の機会を持てるようにすること(givenじゃなくてget)
2)そして、(対象者=被援助者)における「正の強化で維持される行動の選択肢の拡大」を目指す。
3)罰や負の強化による行動の統制はおこなわない。
 ということを前提に具体的対応を考えること。
 そして、具体的な対応においては、紹介したようなオペラント行動の特徴をよく念頭におき、そして、なにより対象者(相手)の行動だけでなく、対応するわれわれの側(援助者)の行動も、知らずに上記のような行動の法則によって統制されている、ということを認識し対策することが大切です。特に、自らの行動がどのような強化随伴性で統制されているか、という自己分析的な視点を持てる行動分析学の枠組みは、対人援助という実践的活動において非常に重要なものです。そしてこの具体的対策のひとつが、行動分析学では必須の「記録と報告」(31日にやりましたよね)なのです。いったい自分は相手にどのような対応をしているか、そのことを常に明確にしておく必要があるわけです。
 
 第二回目(31日)の料理レシピを書いてもらったのは、行動獲得(=教授)をおこなう際に、行動分析学でよく使われる「課題分析」を用いて、被援助者が実際にこれで目標行動を達成できるか、という感覚を実感してもらうために実習したものです。自分がどのように相手に指示を出しているのか、という「こちら側」の行動を明確にするという目的にも対応するものです。

 改めて読み直しましたが、なかなか面白かったし、わたくしの料理のレパートリも、お蔭様で増えました。
 なにより、教える相手が現状でどのような知識や行動レパートリーをもっているか把握していないとなかなかむずかしいですよね。今回書いてもらったものは、自分が自分に教える、という想定に近いものが多かったですね。自分と同じような料理の知識を持った人に教えるという場面です。
 しかし、もしこれは心理学の研究レポートであった場合には、少々、改良して書かなければならないところもありますよね。
 「レンチン」「お好みの量」「塩少々」とか言う記述は、知らない人には通じません。「味をととのえる」ってのも難しいなあ。あ、それと「荒熱」って、「粗熱」だと思います。
 「手をちゃんとつめの間まで洗いましたか?」っていうのは、季節柄、なかなか良い行動項目ですね。


 それと、現在出されている課題は、
「これまでこの授業で習った行動分析的な原則や方法を、今、自分が卒論のテーマとして手がけている内容にどのように生かせるか」です。理念の部分でもいいし、方法の部分でも結構です。もちろん両方記述できるように心がけてください。
 課題の回答の原則として、全体が起承転結になるようにこころがけてください。論文における起承転結については、このブログでも既に何回か書いていますので、ブログ内で「検索」してみてください。

 では、13日にお会いしましょう。