大阪樟蔭 レポート課題

 飛び飛び集中だった大阪樟蔭「行動分析実習」、最終レポートの論題を、ここにじか張りします。
HPのサーバーが動かんので。早く引越ししないとあかんな。

 以下、問題ですが、提出は2つの送付の両方を行ってください。まずメイルでわたくしまで送ること。あて先は、mochi@lt.ritsumei.ac.jp です。そして、印字したものを大学の1Fの事務の辰巳さんまで直接提出すること。締め切りはいずれも9月30日まで。もう大学に来てますよね。郵送ななし。


大阪樟蔭・行動分析(学)2007春学期実習
●最終レポート

以下の選択問題から2題選択して、各400字程度にまとめA4の用紙に印字して提出のこと。

1. 対人援助という実践を想定した場合、行動分析学では、その具体的対応の際にどのような点に留意しますか? 大切な留意点2つ挙げて、実際の例を挙げて説明してください。
<ヒント>みんなで唱和しましたね。そしてその内容は援助するこちらの行動にも適用されます。

2. Epstein, R. (1996) “Insight” in pigeon.の実験は、「ケーラーの洞察学習」に対して、どのような主張をしようとしたものか。<ヒント> ある行動の成立条件についての説明は様々な角度から行うことができます。行動分析はどういう角度から扱い、そしてそのことは対人援助の実践ではどのようなメリットを持ちますか?

3. 「社会が、障害を持つ人を、生まれながらの権利としてそして個人差のままに受け入れることを要請する・・・」というノーマリゼーションの理念と目標は、応用行動分析のことばで表現しなおすとどうなるか。そのように表現することのメリットはどのようなものか。
<ヒント> 行動分析の鉄則:具体的な行動に具体的な強化を。でなきゃ人は動かん。

4. 「行動の成立の保障」に必要な実践的作業の機能を3つ挙げてください。その3つの機能がどのように展開することで、社会における対人援助の進歩(あるいはノーマリゼーションの進歩)を実現することができるか?
<ヒント> 内容は「援助」「援護」「教授」です。ある個人の支援には、この3つがどのように関連しあって1.や3.で挙げた目標を達成することができるでしょうか。この内容については拙著「対人援助の心理学」(朝倉書店,2007)、あるいはHPにリンクしてある「実践障害児教育1998-1999」の連載のPDFに詳しく解説してあります。


5. 罰や負の強化によって行動を維持してはならない理由を挙げてください。
使うべきだと思う人はその理由を挙げてください。
<ヒント> 倫理的にもまた効果の点からも理由を挙げることができます。負の強化で維持されている職場環境の行く末といった実例を挙げることもできますね。一方、使うべきという意見には「社会の厳しさを教える」「がまんを教える」といった主張もあります。

6. 障害のある個人への対応の態度として、「×から○」ではなく「○から×」と表現する趣旨について述べてください。<ヒント> これも1. 3. で示した行動分析学的な原則や目的と関係しますね。


7. レジ袋の削減のためには、具体的にどのような方法をとったら良いでしょうか。「行動の原則」を意識しながらその例を示してください。<ヒント> 行動的環境心理学の例であげた公共場面での行動変容の例と、そこで示した行動的原則を復習しながら考えてください。

8. 以下は、Baer, D.(1998)が、重度の障害のある個人における自己決定を尊重するときの対応の留意点について述べたものです。下線部の文章を翻訳しなさい
The proposal is to develop our sensitivity to the various forms of communication used by people with severe disabilities so that we may do more of what they want and impose on them less of what we assume they want or want them to want.

<ヒント> 授業中に紹介した2つの自己決定に関する研究(音楽テープの選択と、食べ物の選択)は、上記の原則を満たすための援助設定を実証的に検討したものです。

9. 自己決定の成立のために、選択肢のあり方を象徴的に表すA+B+R についての質問です。
 1)A, B, R、は、どのような選択肢を表現したものですか?
 2)このような選択肢の提供の機能を検証した実験例の内容を具体的に挙げて説明してください。

<ヒント>これはVTRで見せた研究ですね(Nozaki & Mochizuki, 1995)。これも実践障害児教育での連載にも紹介しています。

10. 行動的QOLという考え方のもつメリットを、環境的QOL心理的QOLと対比して述べてください。<ヒント>茶碗は陶器ですか? あなたは幸せですか? で、必要な対人援助ができるか?
この問題も、1. の留意点に関係します。