研究倫理(2)

marumo552007-10-14

 立命館大学人間研のワーキンググループから、衣笠研究機構のワーキンググループにその作業の場を移した「人に関する研究倫理」の運営試案は、先日、副学長のヒアリングを受け今後の展開については、朱雀からの方針が下るのをお待ち申し上げている状況です。


 この2007年度の後期は試運転、2008年度からは本格稼動というスケジュールを想定していましたが、全学規模の運営は、もっと先でないと無理では・・・という意見も出ていました。しかし2007年の3月に既に基本指針が大学から出されているのに、その実際の運営が年度内にも始まらないというのもちょっとリサーチユニバーシティを標榜する(したい)本学としては・・・・・。
 とまれ、研究機構からの試案の推敲については、学部(とくにmuttoゼミ)の諸君には、細かい表現から、これのもつ社会的機能にいたるまでのさまざまな角度から大変有意義な意見をいただきました。研究倫理というのは、研究規制ではないのですから、決まりきった法規や規制に対するコンプライアンスではなく、研究そのもの意義について不断の議論を重ねていく、そういう性質のものですから、「上」の方で決めて下に落とすのではなく、研究の主体たる学生諸君の意見を反映しつつ、よりよきものにしていきたいと思っています。

 ブログでも既に述べましたが、現在、試案として提出している研究倫理審査の運営については、ある種、(本来あるべき)学会誌の論文査読のような申請者(投稿者)と審査者(査読者)のコラボレーションによって、当該の研究(論文)をよりよくする、そのような社会的機能を持たせるということが、これからの研究倫理のありかたとして必要なことであると思います。

 さらに遅滞なく研究を促進するという目的で、(その内容と生み出されている結果については悪評ばかりですが)、かの自立支援法の「障害区分認定」のような、ある程度、自動的にその審査のレベルを指定して作業を進行させるようなアルゴリズムを、論理のみでなく実務的な仕組みにも組み合わせることで、質的高さと効率性を両立させるような工夫を考えています。

 現在、このブログでは本案を公開せずに、学内の諸君にのみ相談していますが、おっつけ、その内容についても公開していきたいと考えています。


写真はこれもまたmuttoゼミの人からの「生協猫」写真