「傾聴」again

marumo552007-11-12

 M1のK分君のテーマでもある「傾聴」についての発表が障害・行動分析クラスターでありました。
このブログの2005年の11月に、つまりちょうど2年前に、この傾聴の事に触れています。

 http://d.hatena.ne.jp/marumo55/20051117
 
 2年前には、「自己決定」にまつわる目標設定に関連して、この話題を取り上げましたが、今回は、K分君は、参考文献として、staff,traiingというふたつのキーワードで検索されたJABAからの論文を紹介してくれました。傾聴といった、あたかも援助者の属性に近い態度に関する記述も、実は関係としての問題として考えることができる(というか、そのように捉えない限り、エンドレスな議論が生まれるだけ)という例ですね。staff traiingのチェックリストに含まれる目標行動に、5秒相手の行動の自発を待てるか、という項目がありました。時間遅延(time-delay)という、あえて専門用語にしなくてもよいようなこの操作は、しかし現場で仕事をする人なら、必ず思いあたる問題です。5秒まってから、初めて次のプロンプトを出すといった操作がいかに難しいかということが。
 傾聴とは、待つということでもあります。「他者に時間を与える」(小林・船曳「知のモラル」)ということにもつながります。
 いずれにせよ、いったい何のために傾聴するのか。「傾聴する」「傾聴しない」ということが、対人援助の文脈において、被援助者に対するサービスの結果にどのように機能するのか、という、結果からまず考えてみる、という、行動分析学的視点でこのことを捉える必要がありますよね。


写真は、さきの日中共同企画の集合写真。