バリアフリーの心理学 宿題コメント

marumo552007-11-20

 「バリアフリーの心理学」(火曜日1時限目)の宿題についてコメントします。

1. 写メールを使って居所報告をする、という事を「教授」するには、どのような対象を送るようにプログラムを作ったらよいか。

 これが、前回の宿題だったわけですが、このことについては昨日の授業で話をしたように、最終的には、その対象は、写真を送る当事者にとっての目印(ランドマーク)なのではなく、あくまでも送る相手(つまり居場所を尋ねた相手)にとっての目印である必要があるということです。
 もちろん相手が、単に当事者が今いる場所の景色をみたいとか、何を楽しんでいるのかを聞きたいかというような場合には、場所を特定できずとも「美しい」と感じたものを送ればよいわけですが、待ち合わせなどを想定した場合には、相手がその場所に来ることができる、ということが前提になりますから、その目的のための対象を送る必要があります。
 Lu and Mochizuki (2005)の研究を開始した当初は、まだそのへんの概念があいまいで(つまり居場所を報告する、ということの機能を特定せずに)研究を始めてしまったことで、いろいろ迷いがあって、看板とか目立った建物とかをどうやって選択させるか、といった議論をしていました。
 上記の研究では、授業でも紹介したように、やりとりの中で、送り先の人間が「わからない」あるいは「そこで待ってて」という返事次第で、前者の場合には撮りなおして送るということを訓練しています。

 ブログで唯一回答を寄せてくれたHORIEさんの意見(前回の日記参照)を紹介します。

 GPSで取得した情報を送ることが一番正確なような気がしたのですが、今回の課題が静止画を送るということだったので、2案考えてみました。

?四方を写メールで撮って送る。(できれば大通りの十字路などが望ましいのですが・・)
?通行人を呼び止め、居場所報告をしたい旨を伝え、写メールを撮ってもらう。


というものですが、GPS情報を送るというのは、まあ、緊急時にはいいかも知れませんね。
通行人を呼びとめ、というのは、これはひとつのアイディアで、先の時間でも紹介した「視覚障害」の人が写メールで居場所報告するような場合には効率的方法かも知れませんね。

 視覚障害(目が見えない人)が、写メールで居所報告するというのは、昨年の授業で受講生の人から聞いたエピソードですが、ちょっと考えると、え!っと思ったりしたのですが、実は、画像送信可能な機器だからこそできる話(もちろん相手は見える人ですが)であると同時に、送り先の人にとって目印になるものを送ることが重要である、とういうことを明確に示す例ですよね。

 ここでこの問題に関する一般的研究法則とは、絶えず当該の行動の「機能」(最終的にどのような結末が望まれているのか)を考えなくてはいけないということですね。これは再三、行動の問題として話題にしている原点でもあります。


2. 携帯電話のカナ入力によって文字メールを送る課題分析表を作成せよ。

  送信したい単語は「かかし」です。(だっけ?)
  相手のアドレスは内臓アドレス帳か、受信履歴を使用してもいいことにします。

 このことが、FAXでの送信が可能な対象であれば、誰でもできるか、どこがむずかしそうか、
コメントをした上で、A4のペーパーで来週授業中に提出してください。
 これまでさぼっていた人も、ここから復活可能です。



 写真は、「裏庭」にある某天皇御陵