教職GPの成果報告会(その3)

marumo552007-12-18

 教職GPの発表会の会場は、こちらが大学側、あちらが学校と教育委員会の関係者側という風に、おたがいに正面向いて着席するスタイルようになっていました。
 どうも関係としては、教職大学院を開講して運営する大学側と、実習先を提供する学校側というそういう図式ですね。当然、教職大学院の研究のためにはそうした協力学校は不可欠なものです。いくら教育委員会関係のトップダウン的決定で始まった連合教職大学院とはいえ、現場との関係はきわめて大切。現に、他校のGP授業のシラバスをみると、講師として現職の教員に頼んだり、学校での実習が多い。これを継続するには、学校へお願いする、というスタンスになるのも当然です。
 発表後の討論の中で、学校側から「1年だけならいいですけど、来年以降も同じように時間と人を提供するのは難しいかも」といった意見がありました。大変だったんでしょうねえ。そして大学側から「この大学院の実習では、学校に対してもきっとほんのちょっとでもメリットがある可能性があります」ってな弱気な発言あり。もちろん学校側も大学院の研究から大いに学べるというフォローもあったんですけど。
 授業にかけるコストの問題を佛教大学の先生が発表してましたけど、経費的問題のみならず、人的時間的にどっかのセクターがひどく負担を感じるような授業形態では、持続性がないですよね。

 立命館のわれわれの行った今年の授業も、確かに来年以降も同じ内容でやれといわれたらゲストスピーカやらTAやらの配置を考えると、なかなか難しいとも思えます。しかし、実習に関していえば、今回、実習コンテンツの中心として利用した「学生ジョブコーチ」というのは、これまでも走っていたプロジェクトです。現職の先生は学校側で、院生はジョブコーチとして、それぞれ就労支援という「対人援助学」的にはわかりやすい題材に向かって、コラボレーションが可能というものです。それぞれの立場のままに。そしてその場合、いちおう立場は対等です。一方がお願いするというものではないです。
 
 新しい教職大学院の授業として、従来の学校で現職の先生によって院生がインターンシップ的に教育を受けるという教育実習や授業研究というのは、僭越ながら、これまでの教育大学系の授業とどこが違うのか? 現状の学校教育にカイゼンを加えるための大学院ではないのか? やはりキーワードは「連携」(コラボレーション)ですよ(手前みそ)。
 良い意味での企業論理を学校にも持ち込んで、エビデンスを示すというのは、なにか具体的目標に向けて、大学、学校、地域が連携していくこと、特別支援教育でいえば、FA宣言をした生徒の応援団としてそれぞれに何ができるか、というスタンスによって初めて可能ではないでしょうか。

 しかし、あいかわらず「教育は技術ではない」とのたまっている大学のセンセがいたな。ったく、心意気でやるのかな?