企業向けセミナー(2) おもしろ おかしく

marumo552008-02-16

 2月15日のデュアルシステムに関するセミナーの続きです。昨日は、このシステムを導入した企業からの報告が、現状の総合支援学校の「個別の包括支援プラン」のカイゼンに、きわめて重要な示唆を与えているという話を書きました。学校と企業とがコラボレーションする上で当然必要になる相互の「情報移行」に必要なコンテンツとその運用方法こそが、本来「個別の包括支援プラン」が持っている特性であるということであり、そのことをもういちど学校は再確認して、その運用について工夫をこらして欲しいということです。それも先生ひとりひとりの力量などに還元するのではなく「システム」として、ということです。

 この件については、堀場製作所の野崎さんの報告に「しびれた」と書きましたが、さらにもう一点、しびれた事があります。それは、その発表の際に紹介された堀場製作所の社是が「おもしろ おかしく」というものである点です。当日、司会の私としてはこの言葉におもわず飛びつきました。
 教職GPの授業で兵庫教育大学の井上先生をお呼びしたのですが、そこで示されたQOLの概念やその事の意味の重さにつながることだと思います。http://d.hatena.ne.jp/marumo55/20070615

「おもしろ おかしく」というノリは、堀場さんのような会社では、絶えざるイノベーションの実現にむけての標語でもあると思いますが、それは生産物のみでなく、日常の組織マネジメントにも深くかかわる重要なスタンスでもあると思います。「おもしろい」というのは、行動的にいえば、「行為自身が正の強化で維持されている」事態であり、そのような意味でのキャリアアップ(正の強化で維持される行動の選択肢の拡大)を、企業集団自身としても、またそこに働く個人においてもたえず実現していくことが、その発展に不可欠であろうと思います。

 障害者雇用というのも、最低雇用率の充足やサイドビジネス的なメセナではなく、その企業の発展に向けて、よりポジティブにとらえていくことが必要だと思います。堀場さんの報告の新鮮さは、その「おもしろ おかしく」を基盤とする積極的な姿勢の中で、この課題をとらえていたからではないかと、勝手に解釈させてもらってます。

 養護学校でも、教員のみなさん「おもしろ おかしく」支援できる工夫をぜひ考えてもらいたいものです。