応用行動分析学コミュニケーションシート

marumo552008-06-09

 6月9日の授業では、日常生活の中での応用行動分析学の実践事例を示しました。これについては、一昔(より前)に、まとめた文章がHPに挙げてありますので、それでも確認してください。
 http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/20-Mochizuki(1989b).pdf です。

 環境問題については、ゴミ捨てから省エネ、最近ではエコや地球環境ということばが良く使われますが、70年代から行動分析学の方法による実験的方法がさんざん試されています。
 その多くの研究で用いられる手法の根拠となるものは、授業中にも紹介した「行動の原則」であり、とくにセルフコントロールといわれるものの難しさを行動的に認識した上で、その困難さを乗り越えるためにはどのような原則の適用が必要か、というストーリーになっている点に注目してください。
 さらに、わたくしの授業で強調している点は、同じ効果であるならば、正の強化を用いること、さらに思わず頬がゆるむような明るくポップな方法を考えようということです。コミュニケーションシートにも何人かの人が書いていますが、深刻な問題に対しては、確かに深刻に対処しなければならないのですが、切羽詰った状態(=負の強化で迫られている)にあっても、新しいアイディアを自発的に生み出していくには、そうした明るくポップな状態(正の強化で維持されつつクリエイティブな実験=実践をしていく)に、自分を置く必要があるからです。どんなときにもユーモアが大切だとは昔からいいますが、これは具体的に、その場の状況をポジティブにしていく大変な力わざなんだと思います。
 I wonder what will happen if ......


 ところで、コミュニケーションパーパーの中で、「ネコのベンチに座ってください」のネコが可愛くないという指摘がありました。確かにスライドで示したものは、数多ある「個体」の中でも可愛くない奴を撮影してしまったものです。当時の、卒論生の代表的作品の多くはもっと可愛いものです(なにしろ原図は僕が昔、論文に使ったやつですからね・・)
本日の写真を参照のこと。