1L for 10L

marumo552008-06-11

トイレの落書きの減少が**日間続いたら1000円環境団体に寄付をする。という実践の話をしました。これに関連した質問として、
 「ヴォルビックが自社製品1リットルあたり10リットルの新鮮な水をアフリカに寄付するというCMをやっているのですがこの広告もヴォルビックを買う行動への強化につながっているのでしょうか。」というものがありました。
 その通りだと思います。この広告を「さも人へ援助するふりをして自社製品を売りつける」と取るか、「社会貢献をするよい会社だ」と取るかは様々だと思います。あるいはこのような支援をするなら黙ってやれ、という人もいるかも知れません。

 
このような企業の社会貢献(最近CSRという表現がありますね)の例としては、ベネトンが色々やっていましたよね。AIDSキャンペーンとか古着を送るとか。
 ヴォルビックのものは、自社製品の購買行動のたびに「製品+支援」という結果事象を設定しているわけで、その点、具体的な強化のかたちになっていると思います。ベネトンの場合は、どちらかというと商売とは直接むすびつくものではない設定であるのに対して、こちらは商売とリンクしています。わたくしとしては、こちらの方が、あいまいなチャリティではなく、自分の商売の利得にもなるというかたちが明確になっていて好感が持てます。商売と支援をリンクさせ双方がWINというほうが継続性もあるでしょう。
 もちろん原価がいくらで、どれほど実は儲かっているとかいうことは別にしてですが、それでもこのように明確な随伴性を開示するほうがフェアでポップではないでしょうか。

 
同様の質問で、「マイ箸」というのはどうなのか、という質問もありました。この件では、洗ったりするわずらわしさ(即時罰)に較べて、資源保護という遠い強化が勝つのはなぜか、という質問文脈ですね。「マイ箸の人」にとって、いったい何が強化となっているか。コンビニで弁当買うとき「ぼくお箸いりません」というと「ありがとうございます」と言う返事が即時強化になっているのかも知れません。もちろん一人きりのときでも、お弁当を食べるたびに「地球上の森林の保護」という一種の言語的ルールに従えていることが強化になっているのかも知れません。ただそのとき、この人は即時強化に負けないでいられる「意思」を持っているから、というのではなく、自分が強化を受けることのできる拮抗行動をみつけてそれを実行していると表現するほうが、具体的で他の人に応用する場合にも計画しやすいですよね。