京都市による障害者就労支援

marumo552008-08-22

 「障害者就労支援調査検討委員会」なる委員会が京都市に発足し、京都市庁にて打ち合わせがありました。障害者の就労支援についての機能的ネットワーク(「協働機構」)をつくろうというものです。これまで市は、福祉就労的な組織などへはバックアップしてきたものの、一般企業への就労への支援組織というものは、初めてここから立ち上げていくそうです。

 当方も、学生ジョブコーチでの蓄積などをもとに、従来の福祉的発想ではなく、良い意味での企業的発想をもって就労支援を行うための実践的展開を提案したり「共汗」(これは門川市長のフレーズ)するつもりです。
 ここでも、共通ミッションとして確認したことは、
1)障害のある個人が、たんに就職できればそれでいいというのではなく(つまり入り口まで辿りつけばよいのではなく)、就労後にも「キャリアアップ」を実現できる支援体制をつくる。
2)この組織の活動経緯を公表していく。
 というものです。というわけで、重要なことは「特別支援教」育と何ら替わるところはありません。http://d.hatena.ne.jp/marumo55/20080222

 1)の問題は、「就職」支援ではなく「就労」支援ということの確認でもあります。出席者のひとりのF氏の表現を借りれば、「出口まで見据える必要がある」ということです。就労の入り口までではなく出口を考えるという想定は、次のキャリアアップを前提とした支援ということです。このことは、前々から問題になっていた、単一の企業が必ずしも終身雇用するというのではなく、企業連合体のその企業間での「転勤」も可能とする柔軟な就労支援体制を築くという新しい方策への模索でもあるように思います。もちろん、一歩間違えると、格差のある非正規就業を障害者に押し付けることになりかねません。ですから、ここは、「キャリアアップ」という原則は常に監視する制度にしなければいけないでしょう。

 まずは、調査から入るらしいのですが、現状の資源の中に収めるため、あるいは福祉予算削減の中で、企業やボランティアの「共汗」を頼りにするというのでは持続性は期待できません。どのセクターもWIN(あるいはキャリアアップ)が可能な制度の構築が必要なことは言うまでもありません。
 そのためにも、活動経緯は逐次、公表していくシステムを考えなければと思います。

 
 ちなみに、京都市庁には一般の駐車場がない。公用車駐車場のところで、かくかくしかじかなんで置かせて、とお願いしたんですけど係りの人に断られました。御池地下駐車場にとめたのですが、結局、早くも、個人的には「チャリティ(=赤字)」行為になっちゃったです。WIN−WINの道は険しいかも。


 写真は夏休みのときの風景。