バリアフリーの心理学みなさんのコメントと次回資料

marumo552008-09-27

 バリアフリーの心理学第一回目にはたくさんの方が受講してくださってありがとうございます。他専攻、他学部(理工学部、産業社会学部など)からも受講してありがとうございます。心配しなくても単位とれます。というか、前期の応用行動分析学では、他専攻・他学部の受講生の諸君のAプラスが目立ちました。試験解答にあった英文の人の「シェイクスピアと応用行動分析」(ブログで検索してください)というレポートは、ほんとに面白かった。

 第一回目では、ノーマリゼーション、QOLバリアフリーユニバーサルデザイン、といった類似の概念や運動について、軽く解説しましたが、コミュニケーションシートに書かれた内容の多くは、「バリアフリーって建築だけじゃないんですね」とか「手放しに良い概念というふうにとらえてはいけないんですね」といった意見が目立ちました。
 もちろん、どの概念も決して「悪意」のうちに出来上がったものではなく、それぞれに、少数派としての障害のある個人の「よりよい人生」を目指したものです。ただ、時代背景やそれを唱える人の立場、さらには既存の学問領域の都合、なにより行政のありかたなどによって、問題点があぶりだされるものです。というか、そうした概念に問題があるのではなく、現状の行政や福祉、さらには就労支援などの政治的、行政的な問題がゆえに、本来、志の高い理念に陰りがどうしても見えてしまうというものでしょう。
 
 ですから「概念を信じない」というよりも、そうした本来、善きものであるはずの理念が、どうして現代の社会では問題性をおびてしまうのか、そのことについて皆で考え、アクションしていく必要があるわけです。
 そのために、現状での様々な「障害」をめぐる具体的問題や、実践的な取り組みを知ることによって、個別の個人の行動の成立のためにどんな支援が必要か、また支援継続のためには、組織や制度のレベルまで、今何ができて、何が足りないかについて、科学的に(誰にでもわかるように)表現し、そして、さらなるアクション(それは受講生諸君が将来、どんな立場や役割につこうとも可能です)を起こすにはどうしたらよいかを、ひとりひとりが実践研究者として準備する、という、のが、この授業の目標です。志の高い授業だな。

 というわけで、予想外の受講者数の多さに気を良くしたのか、はやばやと第二回目のレジュメをアップしましたので、みなさんダウンロードしてください。http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/08BF2.ppt
 なお、第二回目のレジュメは、昨日26日に夜にもアップしていますが、上記のものは、さっそくの改訂版ですので気をつけてくださいね。よろしく。


 特殊教育学会のこぼれ話。3日目は、他の人の発表も聞かず、はやばやと帰京しました。ところが、中国地方の大雨のために、米子から岡山までの芸備線やくも号(?)が、途中でストップ。
 「大雨のため線路が冠水。復旧の見込みはまだたっていません」という車内放送が。そこであわてて、備蓄飲料のウーロン茶を購入。約1時間、電車うごかず。と、そこに、車内の片端のお客から、反対側にいた車掌さんに切羽詰った叫びあり。
 「ぼくら昼過ぎの結婚式があるんだあ。ここにタクシーを呼べないかあ!」
この叫びに、車両中の客から「お!」という声がいっせいにあがって、その瞬間、車両全体が揺れたほどでしたね。その「お!」は、「おお、こういう場面で、ほんとにお約束の出来事ってあるんだなあ!」という感嘆であると翻訳できましたね。

 写真はからくも車両がたどり着いた最寄の駅。豪渓って、名前がそもそも水が出そうですな。結局2時間おくれで岡山到着しました。