日中友好

marumo552008-10-29

 「中国各地方における自閉症児療育施設の現状」というタイトルで、人間研オープンリサーチセンター事業の特別企画(日本行動分析学会後援)を行いました。http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hs/hs/news/news_08/temp/20081029nityuu.pdf今回は、中国から主要な施設代表を含めて6名の方をおよびし、研究会形式でこれまでの自閉症児の教育や組織の展開について紹介をしてもらいました。当方も、現在、日本の教育が特別支援教育という名称のもとで、「治療」という形ではなく包括支援という形で行う方向にあること、そして地域連携のひとつとして学生ジョブコーチシステムの実践についてお伝えしました。


 中国からの施設代表者はいずれも、ご自身のお子さんが「自閉症」の診断を受けている親御さんが組織してきたもので、日本の障害児に対する支援の歴史とも重なるところがあります。また現在でも熱心の親御さんのグループが教育システムを追求されているという点でも似ています。また、わたくしの発表に対する質問も環境設定の重要性を了解したうえで、その環境設定のステップのプログラムは日本ではどうなっているかといった内容など、きわめて実践的なものでした。


自閉症」に限らず、障害というものについては社会が責任をもって支援する形でなくてはなりません。何度も書いているように、自立支援法をはじめ日本の福祉支援は、決してよい方向にあるとは言えません。

 日本と中国の実践者や研究者が共同で、障害者の支援について追求することの意味は、いろいろあると思います。狭くいえば、自閉症を疾病的モデルの中で治療する、という、ノーマリゼーションやインクルージョンの方向性からは逆抗しつつあるような日本のありかたの二の舞を踏んで欲しくない、という思いがあります。より広い意味では、異文化の中の交流の中での「支援」に関わる表現がどのようなかたちで了解されるかといったことも、改めて自らの行動をチェックするのかを確認できるか、というもくろみです。


 詳しい内容は、昨年の第一回国際連携と併せて、人間研から紹介していく予定です。