メタボ対策

marumo552008-12-26

 今年度は、卒論でダイエットの研究も禁煙の研究もなかったので、いずれも長いベースライン期が続いています。
Muttoゼミでは確か、携帯サイトを使った実験計画があってソフトの調達まではしたように思うが、ぼくと教育人間のN先生を被験者にしたらどうかと提案したのに選ばれなかった(とほ)。

 禁煙はともかくダイエットについては、やせる気は特にないが体重を落とさないと、いよいよ膝が再起不能になりそうである。
前回は「ためして合点式ひざ体操」(『ルール支配』的ではありますが、その内容は極めて行動分析学的でありました)でリカバーしましたが(http://d.hatena.ne.jp/marumo55/20060614)、今年の痛みの性質は、朝は、まあまあなのに夜は寝ても痛いという、昼間の使用の問題であると考え、ボディの軽量化をはかることを決断。ボンネットはカーボン製に換装しよっと。室内の余計なものも全部剥ぎ取っていく。

 というわけで☆先生にも秘密で、前に☆先生に教えてもらったゴミ処理余熱格安市民プールでウォーキングを試みる事を決意。
ネットでXXXLのパンツ(中国製)も購入。ゴーグルも購入と。

 
 と、人間研経由で、京都大学の人から本が送られてきた。その名も、狙いすましたような
『わかっちゃいるけど痩せられない:メタボの行動経済学
吉川雅一(NHK出版)

 カレイシュ(http://d.hatena.ne.jp/marumo55/20081204)に続く「けんか売ってんのか!」ですが、ま、献呈本だからありがたくいただいて、ちょろっと読む。行動経済学とあるように「時間割引(価値割引)」の話のほかに、価値関数とか選好の話が、わかりやすく書いてあります。

 しかし実証的なデータはないな。第8章の「脱メタボ宣言しよう」というあたりは具体的対策としては、ま、これまでのセルフコントロールの話として・・・・

 かつての「ためしてガッテンの膝運動」の説明は、ルール支配とはいえ、即時強化を可能にする想定であったという点で行動分析学的な、あるいは行動の原則にかなった方法であると得心したものですが(実際、なおったしね:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/K629up.pdf)、今回の、なぜ食べ過ぎちゃうのかという行動問題についての「太るスパイラル」の図(図参照:本文15ページから)は、現実を(?)記述しているだけで、なぜスパイラルとして悪循環をもたらすかについてはこの図はなにも説明してない。「このスパイラルにはまってしまうと、太っている人はますます太り・・・」とあるが、「はまってしまう」と表現できる理屈はこの図にはない。この図は、「はまらないはず」の図である。ま、そこで、後の章では、どういう人やどういう場合に、ついこうするとあかん、という話が続くのですが・・・・

 
 応用行動分析やバリアフリーの心理を受講している諸君なら、「わかっちゃいるけどなぜ食べちゃうのか」については、「なぜ禁煙できないのか」と、同様に、即時強化、負の強化、という2つの原理だけで説明できますよね。