日本心理学会 第2日目

marumo552009-08-27

 まず、お昼から、一般公開シンポジウム「古行動学(Paleo Beavior)の分析:史学・考古学・心理学」の「総合司会」(CKBのコンサートでいえばコハラ・スマートの役割ですね)。史学と心理学のコラボという意味でもなかなか面白かったですねえ。もとより「人と環境との相互作用の歴史で勝負」というのは史学も歴史もおんなじですよね。史学のほうは、文献(いろいろと書かれたもの)をもとに因果の追求するのが基本ですが(心理学にもそういうのありますけど)、本日の最後の話題提供者だった木立先生の「にんぎょう」という具体的な「行動産物」の機能の変遷に関する記述や考察というのは、先生ご自身も言われていたように、認知というより行動的な心理学のスタンスに近いものがありますね。なかなか面白かった。企画者のひとり(もう一人は藤健一先生)である杉橋先生も、こちらのリクエストに応じて実に自在にコメントくださいました。指定討論の浅野先生ほか、みなさまご苦労様でした。
 
 時を移さず二発目。「たすける・いきる・みせる:人にかかわる研究の倫理とは?」の司会。対人援助学(たすける)と生存学(いきる)の両者を、ある意味、心理学批判というおきかたで、そこにおける「われわれ」を“ラジカル”に考え直す。ま、それこそが、研究の倫理だろうという趣旨でした。武藤先生の、けっこう挑発的でわかりやすい提言につづき、立岩先生からの実践のありかたについての発表。「たすける」を「みせる」に関しては、「再帰装置」としての随伴性ということについては、改めてまたじっくり考える必要があるなあ、ということ、「いきる」を「みせる」については、そこまでロジック(装置)なくて大丈夫なのかなあ、というのが感想です。指定討論の渡辺公三先生の淡々とした文化人類学での「倫理的トピックス」の紹介が、結局、説得力があったかもですねえ。あと1時間欲しかったです。進行まずくてすいません。

 会場のスタッフの諸君には、あれやこれや、その場でリクエストをしちゃってすいません。主催者側企画なのに、一番お手間をかけてしまいました。ありがとうございました。
立岩先生、渡辺先生、超多忙のなか、本当にありがとうございました。
 

 オープニングの私の企画趣旨のPDFは、
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/nissin09sympo.pdf
 武藤先生のプレゼンのPDFは、
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/muto-sympo-mochi.pdf
 
 写真は、左から武藤先生、右に、立岩先生、右端が渡辺先生。なんか服装にも微妙にそれぞれのスタンスが表れているような。