人を対象とした研究倫理審査委員会

marumo552009-10-17

 この「人を対象とした研究倫理審査申請書」が、本学の研究部のHPに、指針、チェックリスト、審査プロセスなどを含めて、ファイルとしてリンクしてあります。

 現在、卒論、修論、博士論文で、生活する人を、直接・間接に当該個人のために実践的に研究をおこなっている人、あるいは理論やロジックの検証のための研究の被験者として参加してもらおうという場合には、当該の人に対して最小限の侵襲性で研究が行われるように、インフォームトコンセント(IC)、プライバシー保護、情報公開の義務、といった三大原則に加え、研究のあらゆる側面において参加者に不利益が生じないために、考えられる上で最善の方法や、ときによっては最新の方法を選択しているか、さらには不測の事故やトラブル、思わぬ利益対立について、充分に準備そ対応策を考えておく必要があります。

 学生ジョブコーチの面々も、今回、2件ほど審査請求のために書類提出をしたようですが、「いったい何のためにこんな事をするんですか」などと、うちのゼミの学生だったら、指導してくれようという担当の事務の人につっこんでりするなよ。それはあんたのためなんだから。往々にして、充分な想像力をもたずに研究を計画している人は、そこで起きうる様々なこと、ときに最悪の事態などを想定もせずに研究を開始しがちですが、少なくても「対人援助」というテーマで研究しようとする人は、不勉強はしかたがないにしても、師匠筋の書いた研究倫理の機能について述べた論文などは、きちんと読んで勉強すること。自分の心配だけしている人は、研究倫理の基本的線や、さらに既存の倫理的規定を超えて、研究を促進するためのツールとして研究倫理審査を受けてみる、というその意味については、なかなか難しいでしょう。

 この研究倫理の申請書を読んだだけで、その申請者の実力や当該問題に関する姿勢などがよく見えるものです。


 写真は大連の「新起点カナー学園」のプレイルームに並んだミニカー