バリフリ・コメント

marumo552009-12-24

 明日、25日は、今年の最終授業ですね。(ですよね)
昨日は、すでにテーマリサーチゼミの卒論口頭試問が始まり、いよいよ年度末進行が始まりましたけど。

 前回、バリアフリー心理の、やや総括的なお話をしました。これで初めてわかった、という人が数名。やっぱり文脈というのは大切ですからね。
問題は、年度当初(というか去年)に宣言したシラバスどおりに進行してるかどうかですが、そこは羅生門的展開ということで・・

 前回の総括授業へのコミュペの内容で、一番人気は、「保育園児の給食の残し方マナー」でしたねえ。これはK保育園の理事長S先生のお話をそのまま引用したもので、ま、パクリ話なんで、ちょっと悔しいんですけど。
 「嫌いな物を残してはいけない、というのではなく、せめてお皿の隅にきれいに除けておきなさい」というエピソードなんですけど、これはADHD児の集団参加に「見学します」というオプションの話にも共通する話ですよね。決して、一方的に禁止するのではなく、そこに当事者の意志表明をきちんとさせる、そのことをむしろ尊重するということです。まだ小さい子どもなんだから、好き嫌いをまずなくす、といった方針がつい取られがちです。あるいはその反対に、単に好き嫌いは個人差があるんだから自由にさせとく、という放任的方針に走る場合もありますよね。そのいずれでもなく、きちんと自らの表明のもとに行動を認める、ということ、そしてそのことこそ大切だという方針がすばらしいですよね。S先生の話によると、こうやった方が、実は残さなくなるんですよ、とのことです(前に一度このブログでも紹介したな。大事な事は何度でも日々是新鮮)。
 
 明日から紹介する「障害のある個人の就労支援」の話も、この保育園の話と基本的におなじです。就職のための支援ではなく、継続的な就労を可能にするための支援のありかたはどうあるべきか。ということです。3回生諸君もそろそろ就活で、継続的就労なんて贅沢な話で、まずは就職しなくちゃ話にならない、と思うかも知れません。でもそうじゃなくて、継続的就労支援という切り口で考えるのは、就職してからの話としてではなく、実は、「今」どのようにその個人が環境(社会)と関係できているか、という「ずううと続く(続いている)」キャリアプランの話なんですよね。
 
  就活のときに、「面接で、ゼミで何やってんのかなんて聞かれませんでした」とかの話もよく聞くけど、学生が大学で自らをキャリアアップしている、あるいはそのことに自覚的である、という風な期待がハナからないのかも知れませんね。クラブ活動やらアルバイトやら海外旅行について語らせた方が、学生のセルフ・マネジメント能力がよくわかると思われてるんでしょうね。しかし、学生の主要テーマである大学での研究やら学習について、学生自身がどれだけ「それを楽しんで学んでいるか」「そのように自分で環境をアレンジする力があるか」について、これができなきゃ、就職してからだって、簡単に「自分にはこの仕事向いてませんでした」ですぐやめちゃうような事態を避けられないんじゃないでしょか。

 ていうか、そういう自らのマネジメント能力を高めるための教学設計ができていない現状こそ問題なんだけどね。


 午前中、滞納してた固定資産税(これも溜めてたんかい)の支払いをしにK区役所に行ってきました。そこの窓口は2つあるんですけど(よくみると担当が違う?)、そのひとつで対応していて、前のおじさんがなんかちょっと手間取ってる。次に並ぶ私のうしろにも何人か人が並んでいる。と、そのおじさん、自分の事で迷惑かけちゃってる、という思いだったんでしょう、「隣の窓口も開けて対応してくれたら?」って、現在対応している担当に言っているんで、ぼくも尻馬に乗って「そうだ、そうだ、コンビニなら店員が走ってくるよね。」って小さい声で言いました。おじさんの発言も、私のささやきも、担当の人の「微笑」を生んだだけ。先日、りそな銀行の業務改革の話をテレビで見たばかりなんで、こういうのが気になりだしたな。国鉄の民営化に活躍した元JRから転身した頭取の話で「何でお客を立たせて、行員は座って対応するんだ」「しかも、なんでこんなに待たせるんだ」という、民間なら当たり前の常識を、旧い常識で運営していた銀行に導入したんですよね。
 ましてや区役所には、お金納めに出向いてるんだから(とくに税金が京都高いぞ)、別の窓口が開けられないなら開けられないで「ごめんなさい。そちらの窓口は担当が違うんです」くらいの事、せめて言ってもいいのでは。このあいだは、年金事務所で受給高齢者と間違えられて、別の窓口でも対応してくれたけど。