「対人援助学」の可能性

marumo552010-03-18

 1ヶ月以上もブログの更新が停止してしまいました。毎年のことと言いながらも、今年の年度末の「進行」は厳しいもので、卒業関連業務に加えて、ファンド提出2件、しかもこの間すでに1件は撃沈などという、燃え尽きるには充分な出来事がありました。

 ま、少しでもめでたい出来事とてしは、右写真の「対人援助学の可能性−『助ける科学』の創造と展開」(福村書店)が刊行されました。原稿締め切りから発刊まで2ヶ月ちょいという無理目のスケジュールで、出版側の編集担当の方も含め、枕を高くして寝られないお正月を共有してしまいました。

 数週間前に刷り上ったんですけど、自分で書いた序の部分にすでに誤字発見(しかも目立つ)、さらには第一章の引用文献形式に難あり(涙)。丸一日かけて最終校正したんですけど、人さまの部分ではいくつか誤字の類をだいぶ発見できたのに、どうも自分の部分は目がなれたというか、逃避的行動が入ってしまったみたいです。

 すでに、アマゾンの類にも掲載されていますが、章立ては以下のとおりです。

1.「助ける」を継続的に実現するための対人援助学(望月 昭)
  実践編:対人援助学の実践と教育の場としての「学生ジョブコーチ」(中鹿直樹)
2.「臨床」という実践における「対人援助学」の役割(武藤 崇)
  実践編:重症対人恐怖症へのACT導入−精神科デイケアにおける試み(加賀美佳子)
3.高齢者への支援に関わる対人援助学の応用(土田宣明
  実践編:大学という地域資源の活用(立命館大学高齢者プロジェクト)
4.逸脱行動と社会臨床−加害に対応する対人援助学(中村 正)
5.支援者支援という対人援助の可能性−女性支援構築のための婦人相談研修の実践から−(村本邦子)
6.医療における対人援助のこれから(松田亮三)
7.モード2型学習としてのサービスラーニング−対人援助学との融合を目指して−(サトウタツヤ)
●付録の対談;「草の根『対人援助学』:パソコン通信時代の研究者と当事者の連携を振り返る(サトウタツヤ・松原洋子・望月昭)

 第一章を(勝手に)担当していますが、ちょっとブログ風な文章になってしまった。この10年間の京都での「対人援助関係」の実践・研究の「ふりかえり風」総決算です。最後の付録の対談は、なつかしのBBS「marumonet」に関しての対談で、サトウ先生の企画で、先端研の松原洋子先生からのインタビュー形式のものを採録したものです。コロニー時代のBBS熱中時代の話。記憶が定かでないので関係者の人、内容に間違いがあったら知らせてください(って、このブログで訂正するくらいしかできませんが)。定価2100円と大変お求めやすくなっておりますです。

 というわけで、「対人援助学キーワード集」(2009:晃洋書房)に次ぐ「対人援助学」第二段です。関連文献としては「対人援助の心理学」(2007:朝倉書店)もよろしく。

 なお、「対人援助学の可能性」については、応用人間科学研究科の2009年度の修了生(この21日に修了式の人ね)および応用1回生の諸君には研究科のほうで手配しますから買わないでいいです。